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エアーポンプ

 
学生のときに乗っていたマスタングのエンジンルームからある日突然けたたましいスキール音がして、一旦音が消えたと思ったのもつかの間、今度は白い煙が出てきて慌てたことがありました。
ボンネットを開けて見てみるとエアーポンプのベアリングが固着しベルトがスリップして煙を出して、そのあと千切れて外れていました。
煙は時間差で外に出てきたのでしょう。

幸いにもこの車のエアーポンプの駆動は他の補機類とは別系統だったので、エアーポンプのベルトが切れても走行には支障なさそうです。
念のためディーラーに電話で聞いてみたら
「排ガス用の装置なのでベルトが綺麗に?取れているなら走行自体には何の支障もありません!(きっぱり)」
と言われ、その後はエアポンプ自体も取り外してしまって、手放すまでそのままで乗っていました。

この時代のエアーポンプって、点火装置もポイント式で、排ガス中に未燃焼の混合気がまだたっぷり残ってたのを再燃焼させる目的で酸素を供給するものだったはずです。
これを外してしまった状態だと未燃焼ガス垂れ流しですから、知らなかったとはいえ環境には最悪のことをしでかしていたということになります。
でも、どういうわけか車検もすんなり通っていましたので、少なくともアイドリング状態ではエアーポンプなしでも基準値内だったということになります。
当時はガイシャの構造なんて検査官もよく分っていなかったのかもしれません。

時代は進み、電子制御式点火装置の発達により未燃焼ガスも再燃焼させるほどは出なくなり、エアーポンプは、触媒コンバータをより効率よく作動させるための二次排ガス対策装置としての役割にシフトしました。

それからさらに、排ガス浄化に酸素が必要な酸化触媒からそれすら必要ない三元触媒に進化すると、エアーポンプは冷間(水温が40度C以下)時に触媒の温度を上げるためだけにしか使われないようになっています。




そんな訳で近頃の車のものは電動式が主流で、エアー供給が必要な時だけ回してやるものになっています。
耐久性も向上しているのでしょう、当社の売れ筋ランキングでは下から数えたほうが圧倒的に早い位置にいる商品です。




一方、こちらは W124 500E用のエアポンプです。
一応これも触媒温度を上げるだけのもので、実際必要なのは始動後数分間だけですが、ベルト駆動ということもあって、こいつはそれなりに壊れます。
値段も電動式のものに比べると、とんでもなく高価です。
とりあえず無くても走るという点においては70年代のマスタングと変わりありません。

ですが、今この時代に敢えての500Eですからね。
環境負荷のことも全く考えずに、ただ高価だからという理由だけで外してしまうとしたら恥ずかしいことです。
たぶんそんなことをするひとは補修部品についても安ければコピー商品でも大陸製の低クオリティー社外品でも何でもいいというひとでしょうから、SJのお客様にはいらっしゃらないですよね。


By OZW


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