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異音の原因追及 W126の場合

 
前に W124 500Eのリアからのコトコト音の原因を探ったブログを書いたことがありますが、今回は、W126のフロントからのコトコト音の源を探しました。

先ずは音の確認です。
30〜40km/h前後で「まっすぐ」「一定速度で」、むしろ小さな段差を越えるとコトッコトッと前の方から音がします。
大きな段差では出ません。
速度を上げると出ません。
車を止めて外から揺すっても出ません。

運転席だとフロント左側のサスペンション辺りから出ているように聞こえますが、助手席からだとミッションのシフトノブの下の方から聞こえるような感じで、後部座席だとフロント左ドアのヒンジ周辺から音が出ているように聞こえます。
音は空気中だけでなくボディーも伝わって聞こえてくるので、聞く場所によっても聞こえ方が異なるんですね。
なので、音の発生源を見つけるのは本当に大変です。

「まっすぐ」なのでステアリング関係ではなさそう。
「一定速度」なので、ミッションやプロペラシャフトも考えにくい。
発生場所はフロントの中央から左側らしい。

でも、リフトアップして点検してみても特に緩んでいたり、何かが当たっていそうなところは見当たりません。

そこで、運転席にひとを乗せたままリフトアップして、もうひとりが下からいろんなところを叩いてみて、場所的に一番近そうなところを探します。
叩いて確かめているので、運転席で聞こえる音は全部「ガンガン」とか「ゴンゴン」という感じになって「コトコト」とは全く異なりますが、この場合音の種類は無視します。
先ずは場所を絞り込もうというわけです。

運転席に座って聞いていると、まさにそこ!というところがありました。
ブレーキサポートブッシュ (トルクロッドブッシュ) の辺りです。

以前、私の500SEでも交換している W126では定番の消耗品なのですが、このクルマの場合は見たところまだ新しい感じです。
ブーツが破れて水が入り、中が錆びて音が出るというのは時々耳にしますが、交換後それほど経っているようには見えず、ブーツもまだ綺麗な状態なので、これが原因だとはちょっと考えにくいような気がします。

そこで、リフトアップしたまま、ジャッキで左フロントタイヤを持ち上げていくと、1G周辺で「コトッ」「コトッ」。
運転席で聞くとまさにその音です。
同時にリフトの下側では、それが間違いなくブレーキサポートブッシュから出ていることが確認出来ました。




さっそく取り外して確認してみました。
左側が外したブレーキサポートブッシュ (トルクロッドブッシュ) 、右側が当社で扱っているLEMFRDER製です。
よく見ると、外したものは、ブーツがタイラップと針金で留められています。
応急処置でそうしたかと思ったら、新品からそういう作りみたいです。
反対側も同じ構造でした。

ブーツはまだ生きていて、実際、錆も出ていなかったのですが、ボールジョイントのところはゴリゴリになってもう完全に死んでいました。

どこの製品?と思って裏を見てみたら




ああ、そういうことね。


パーツの件は、置いておくとして、今回思ったのは、異音の特定はひとりでは難しいということです。
一人は室内で、もう一人は外で、お互い声を掛け合いながら、場所を絞り込んでいくというのがいいようです。


By OZW






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