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当たるも八卦 その3

当たるも八卦 その2 からの続きです。

ある日、原稿の事前打ち合わせのとき先生の書斎に通されました。
そこには、占星術概論とか古代の魔術、神秘学、深層心理に関する
いろんな文献など、いわゆる形而上学的な書物はもちろん、天文学
や地質学、統計学、現代数学とか脳科学といった自然科学に関する
書物や歴史本なども大きな壁一面に並べられていました。

なるほど一流といわれるひとは、専門分野以外にも広くよく勉強し
ているんだと感心したものです。

翻って、今よくマスコミでもてはやされている経済学者さんたち、
はたして経済学以外勉強してるんだろうか?
話を聞いていると、この経済危機はあと3年は続くとか、いやV字
回復するだとか、デフレになるだの、ハイパーインフレになるかも
だとか、いずれの立場の人であれ共通しているには、まるですべて
の経済は需要と供給だけで決まるみたいな適当すぎる発言ばかり。

実質的に世界の原油価格を決定している WTI (West Texas Intermediate)
の取引価格、実はここでの原油取引量なんて全体の1%ちょっと。
投機マネーの動向次第で価格が乱高下するのは経験したばかりなのに。
それにそもそも世界中の原油がこの価格で取引されているわけでもなく
例えば、イランあたりだと1バレル20ドルくらいが採算価格と言われ
ていて、150ドルを超えていたときにも反米アラブ国には30ドル程度
で売り渡していたという話もあります。
つまり政治体制によって原油買取価格も大きく変わってくるわけです。

一方資源バブルで大きく成長したロシアなどは、もちろん戦争が広がって
原油市場に投機マネーを呼び込もうと虎視眈々です。
「不景気の時には戦争」の定石に沿って米国内にもそれを目論む勢力も
あります。

金にしても、もともと実需流通規模が小さく公正な市場価格の形成維持が
困難な上に、全体量のほんの一部しか取り扱わないNY COMEXの金先物相場
など政府の思惑に大きく影響されるのは当たり前でしょう。

現在、原油と同様に金も高騰してもらってはドル崩壊に直結しかねない
米国にはとっては困るわけで、金相場は金融危機以降、意図的に価格を
抑えられていると言われています。

国家戦略として1バレル75ドルをターゲットとしているロシア(あまり
高くしすぎると代替エネルギーに逃げられるので)。
ドルの基軸通貨体制を堅持したい米国と英国。
ユーロ、円、人民元を加えた多極体制を目指す欧州勢力。

後がないアメリカに1ヶ月分のお小遣いを賭けたわけですが、ひとは
必ずしも合理的に動かないというのも世の常。
さてはて結果はいかに。

by OZW


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