INDEX | |
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その1 | ホイール |
その2 | タイヤ |
その3 | エンジン |
その4 | 燃料噴射装置 |
その5 | 電子制御 |
その6 | 制御機能一覧 |
その7 | ITGS |
その8 | スタッガート・ゲート |
その9 | セルフレべリング・サスペンション |
その10 | ホース・ヘアー・パッド |
その11 | パゴダ・ルーフ |
その12 | ヴァリオ・ルーフ |
その13 | 4MATIC |
その14 | アヴァンギャルド(Avantgarde) |
その15 | 5マイルバンパー |
その16 | チャイルドシート |
その17 | サードシート |
その18 | アニマルネット |
その19 | サッコ・パネル(プレート) |
その20 | MB-TEX |
その21 | コンプレッサー(Kompressor) |
その1:ホイール |
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50年代以降、MBは各モデルに共通のデザインのホイールを採用してきました。50年代半ば〜70年代後半まで通常は鉄ホイールにボディと同色のホイールキャップが装着されていましたが、70年代初頭からオプション設定で14インチのアルミホイールが登場。80年代以降はベーシックバージョンを除くほぼ全車でアルミホイールが標準装備となりました。例外はありますが多くのモデルで採用されてきたのは上の6種類です。左から初期のホイールキャップ、70年代〜80年代半ばのアルミ、80年代半ば〜93年前後のアルミ、93年前後〜現行のアルミ、97〜現行(日本仕様ではアヴァンギャルドのみ)のアルミとなっています。 ただし97年以降のホイールに関してはCLK、SLK、Sクラスなどは専用デザインのアルミが用意されていますし、北米仕様、欧州仕様などの場合も日本仕様とは異なる設定になっています。また、同じデザインのホイールでも車種によってサイズおよびオフセットが異なりますので注意が必要です。PCDは112mm(5穴)、センターボアは66.5mmで全車共通です。 |
その2:タイヤ |
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MBでは長年ミシュランやコンチネンタルといったヨーロッパ製のタイヤが純正採用されてきましたが、97年より新たにブリジストンが純正指定に加わりました。ご存知の通りすでにMBのレース参加車両は全てブリジストン・タイヤを履いており、F1選手権でもグッドイヤーVSブリジストンの様相を呈しています。かつては剛性などの点でヨーロッパ製タイヤに劣っていた国産タイヤですが、現在ではブリジストンが世界一の技術を持っているというのが業界関係者の見方のようです。 そこでMBに選択するタイヤとしては、今まで定番とされてきたミシュランなどに加えてブリジストンを選ぶのも良いでしょう。とはいえ「ベンツにはやっぱり輸入タイヤでなきゃぁね」というのも正しい考えかもしれませんが(笑)MBのほかにはAMGやポルシェもブリジストンを純正指定しています。 |
その3:エンジン |
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MBのエンジンはその性能が非常に優れていることから常に高い評価を得てきましたし、他のメーカーの見本となってきましたが、同時に非常に柔軟かつユニークな設計をする事でも知られています。例えば70年代初頭にはすでにDOHCエンジン(M110)がW114やW123のラインナップに加えられていましたが、稼働効率の問題から80年代に一度姿を消します。その後コスワースによるヘッドチューンを加えられた190E-16VのDOHCエンジンを除けば、90年からR129に搭載されたM119が登場するまでは全てSOHCエンジンでした。その後は一度4気筒から12気筒までの全てのエンジンがDOHCに変わりますが、97年からは再びSOHCのV型6気筒エンジン(写真)が登場しています。 この新型Vエンジンがユニークなのは、通常SOHCは1気筒あたり2つ、DOHCは1気筒あたり4つであるバルブ数が吸気2、排気1の計3バルブである事です。DOHCと同等、あるいはそれ以上の燃焼効率を保ちながらカムシャフトなどの機械的な構造をシンプルかつ軽量にする事で、DOHCとSOHC両者のいいとこどりをした所は非常にMBらしい設計だといえるでしょう。現在は4気筒エンジンを除き、全てのガソリンエンジンがこのV型SOHCエンジンになっています。 |
その4:燃料噴射装置 |
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かつてはゼニス社などのキャブレターがスタンダードだったMBですが、70年代以降はBOSCHインジェクション装着車が主体となっていきました。初期のインジェクション車はBOSCHの電子制御インジェクションを搭載していましたが、70年代後半からは燃料噴射量を綿密に調整できる機械式のインジェクション「Kジェトロニック」が多く使われるようになりました。その後80年代半ばから90年代初頭まではKジェトロニックの進化型である「KEジェトロニック」が搭載されるようになり、それ以後は機械式エアフローメーターでありながら空気量測定に電圧感知式を取り入れた「モトロニック」が、94年以降は電子制御の「LHモトロニック」がスタンダードな装備となりました。 |
その5:電子制御 |
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かつては「最も優れた機械製品」と評されたMBですが、同時に電子制御化も非常に早い時期(60年代)から進められてきました。80年代まではエンジンをコントロールするECU(電子制御ユニット)やABSが主体でしたが、90年代になってからは更に電子制御化に拍車がかかりました。94年以降はそれまでの油圧制御ATから電子制御ATへの移行が始まり、現在では全てのモデルにMB独自のロックアップ機能を装備した電子制御ATが装備されています。また他メーカーに先駆けて超高速CAN(コントローラー・エリア・ネットワーク)データバスを開発し、全ての車両制御システムを統合してコントロールする事を可能にしました。 |
その6:制御機能一覧 |
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MBに採用されている制御機能をここで簡単にまとめておきましょう。(順不同) |
・ABS(アンチロック・ブレーキング・システム) |
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ご存知の通りブレーキをコンピュータでポンピング制御してロックしないようにする機能です。今ではどこのメーカーも採用していますが、MBは1970年に世界で最初に量産車に採用しました。 |
・ASD(オートマティック・ロッキングディファレンシャル) |
いわゆるLSD(リミテッドスリップデフ)と同じ働きをします。普通のデフギアは片方の車輪がスリップする(又は接地しなくなる)ともう片方の車輪に駆動力が伝わらなくなってしまいますが、この機能があることで常に両方の車輪に駆動力を伝えることが出来ます。MBでは80年代半ばから採用し始めました。 |
・ASR(アクセレレーション・スキッドコントロール) |
ABSにASDの機能を組み合わせて開発されました。センサーによって空転している車輪を感知すると、エンジン出力を抑制したり各駆動輪に個別にブレーキをかけてグリップを取り戻す機能です。90年代初頭から大排気車両を中心に徐々に採用され始め、現在ではほとんどのモデルが標準装備しています。 |
・ETS(エレクトロニック・トラクション・システム) |
機能としてはASRとほとんど同じですが、ASRには備わっているエンジン出力の抑制機能を省いてあり、駆動輪への制動力とデフのトルク配分だけでグリップを回復します。ASRに比べてコストが低いため、現行Cクラス(W202)の初期型(〜96)及びVクラスに採用されています。 |
・ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム) |
ABSやASRといった車両制御機能を統括的にかつ瞬時にコントロールするための機能です。車両速度、操舵角、車体の回転運動(ヨー)、横方向加速度、各車輪の回転速度、ブレーキ液圧などの情報をそれぞれのセンサーから常時取得し、運転者の操作状態と実際の車の旋回速度のズレを計算、ズレが生じそうな場合(スピンしそうな場合など)にはエンジントルク制御、各ブレーキの制御、ATのシフト制御などを組み合わせて車両が運転者の意図する旋回軌道を保つようにする高度なシステムです。この機能が働いている時にはオーバーステア、アンダーステアなどの現象が起きず、どんな速度域でも狙った通りの軌道で走れるそうですが、その反面自分で自動車をコントロールしているという感覚は薄れるそうです。95年以降のSクラス(140系)の6LエンジンモデルとEクラス(210系)の430などに採用されています。 |
・ADS(アダプティブ・ダンピング・システム) |
路面状況や走行状態を感知して、ショックの硬さを4段階に自動調節する機能です。具体的には荒れた路面ではソフトに、横Gのかかる高速走行ではハードにと瞬時に調整してくれます。現在はCL600(W140)とSL600(R129)に採用されています。 |
・BAS(ブレーキ・アシスタント・システム) |
このシステムは緊急時のブレーキングでは多くの一般ドライバーがフルブレーキングできないというMBの調査結果をもとに考案されました。具体的にはブレーキペダルの踏みこみ速度を検出するセンサーがあり、早い踏み込みを感知した際にはパニックブレーキと判断して、自動的にブレーキに最大ブースト圧をかけるというものです。97年以降の一部のモデルに採用されています。 |
・SRS(サプリメンタル・リストレイン・システム) |
これはいわゆるエアバッグです。MBでは80年代半ばから大排気量モデルを中心にエアバッグの標準装備化を進め、92年以降はほぼ全車両で標準装備化されました。MBではコックピットの前面に装備するものをSRSエアバッグ、側面(ドア)に装備するものをSRSサイドバッグと呼び、それぞれエアバッグは前面衝突時、サイドバッグは側面衝突時にしか作動しません。サイドバッグは94年から採用され始め、現在はほぼ全車両に標準装備されています。 |
その7:ITGS |
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ITGS(インテリジェント・トラフィック・ガイダンス・システム)はMBとNTTが共同開発した新しい方式のナビゲーションシステムです。従来のシステムと違うのは情報提供システムと車との交信を携帯電話(ドコモ)で行う点で、渋滞状況や交通規制情報に基づき目的地まで最短時間で到着できるルートをリアルタイムでドライバーに知らせます。当初このシステムはMBの独占契約となっていましたが、今後は各メーカーでも採用されるものと思われます。現行Eクラス、Sクラスでオプション設定されています。 |
その8:スタッガート・ゲート |
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MBのATで採用されているジグザグ状のシフトパターンです。シフトの誤操作を防ぐために考案され、1967年から現在まで使われています。 |
その9:セルフレべリング・サスペンション |
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乗車人数、荷物積載量に応じて車高を自動的に調節するシステムで、ショックアブソーバーとポンプの間を循環するハイドロリクス・オイルの量をアキュムレーターで調節して作動させます。モデルによってフロントは通常のショックの場合もありますが、W116以降のSクラスのロングバージョンや、W123以降のEクラスワゴン、W201の16Vモデルなどに採用されています。 |
その10:ホース・ヘアー・パッド |
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MBのシートに使われているクッション材の名前です。天然のヤシ繊維から作られており、硬めで通気性がよいので長時間の運転による疲労が少なくヘタりにくいという特徴があります。見た目が馬の毛に似ていることから特に欧米ではこう呼ばれています。 |
その11:パゴダ・ルーフ |
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W113、W107の二つのSLに採用されていた中央がへこんだ形状のハードトップの名称です。この形状は前面投影面積を増やさずに乗員の乗り降りをしやすくするために採用されましたが、その形状がカンボジアのパゴダ寺院の屋根の形状に似ていることからこの名前がつけられました。 |
その12:ヴァリオ・ルーフ |
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97年に登場したSLK(R170)に装備されている電動開閉式のハードトップの名称です。オープン時はトップがトランク内に収納されるようになっており、古くはキャデラックやサンダーバードが、最近ではホンダの「CR-Xデルソル」が採用していたのと同じようなシステムですね。 |
その13:4MATIC |
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これはEクラスに設定される4輪駆動モデルです。先代Eクラス(W124)で初めて採用され、その時のシステムは2輪(後輪)駆動と4輪駆動(前輪35%:後輪65%)を路面状況に応じて切り替え、状況によってはセンターデフのロックやASDのロックも自動調節するという非常に凝ったものでした。しかし現行Eクラス(W210)で採用された新4マティックは前輪35%:後輪65%のごく普通のフルタイム4WDになっています。また4マティック車は後輪駆動モデルより若干(15mm前後)車高が高いのも特徴です。 |
その14:アヴァンギャルド(Avantgarde) |
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現在Eクラスに設定されている仕様で、標準モデルに比べてやや強化されローダウンされた足回り(4マティックを除く)と本皮シート、黒色ウッドパネルなどが標準装備されています。日本仕様ではアヴァンギャルドのみですが、本国では「クラシック」「エレガンス」といった仕様もあります。以前はW201などに「スポーツ」「エレガンス」などの仕様が用意されていた事もあります。 |
その15:5マイルバンパー |
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5マイルバンパーとは70年代初頭に制定されたアメリカの新しい保安基準に適合させるべく1974年から北米仕様車のみに採用されたバンパーで、欧州仕様、日本仕様に比べてかなり大きいサイズとなっています。そのために北米から日本に並行輸入された車両は日本仕様のバンパーに交換して販売される事が多かったようです。5マイルバンパーが採用されたのは主に70年代以前に発売が開始されたモデル(114、107など)で、80年代以降新しい基準で設計された車両には装着されていません。そのほかヘッドライトに関しても北米仕様だけは多くのモデルで欧州、日本仕様とは形状が異なります。 |
その16:チャイルドシート |
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チャイルドシートというのは本来乗車定員が2名のSLにオプションで用意される後部座席です。SLはホイールベースが短いために後部座席といっても子供が座れる程度のサイズしかないのでこう呼ばれています。R113から用意されるようになり、この時は横乗りタイプの一人用シートでしたがR107以降は通常のシートと同じように並列2座になりました。チャイルドシートを装着することで車検証上は定員4名になりますが、実際に4人で乗ったら後ろの2人は怒りだす事うけあいです(笑) |
その17:サードシート |
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これは歴代のミディアムクラスワゴンモデルにオプションで用意される折畳み式のシートで、荷台のフロアに装着されます。このシートに座る場合は後ろ向きになりますが、乗車定員は計7名になり大変便利な装備だと言えます。 |
その18:アニマルネット |
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ワゴンモデルの荷台に標準装備されます。荷台と後部座席を仕切ることが出来るロールカーテン状のネットで、荷台にペットを乗せる際に使うのでこう呼ばれますが、荷物の荷崩れ防止にも役立ちます。ワゴンにはそのほか荷台を覆うロールカーテン状のカバーも装備されています。 |
その19:サッコ・パネル(プレート) |
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MBのデザインを多く手掛けた事で有名なデザイナー、ブルーノ・サッコがデザインしたボディ下側面を覆う衝撃吸収板の愛称で、サッコ・パネルもしくはサッコ・プレートと呼ばれます。W124やW201の後期型、W126、W140で使われています。 |
その20:MB-TEX |
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MBの内装に使われる合成皮革(ビニール)の名前です。シートの素材としてはオールファブリック(布またはベロア)、ファブリック+MB-TEX、オールMB-TEX、本皮の4種類に大別できますが、本皮シートを装備した車両でもドアの内張などには本皮ではなくMB-TEXが使われる場合があります。 |
その21:コンプレッサー(Kompressor) |
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SLK、CLK、Cクラス等の4気筒エンジン車両に採用されているスーパーチャージャー(過給器)の名称です。ターボと違いベルトでタービンを駆動するので、低回転域から効果を発揮します。 |