スティーブン・スピルバーグ監督の映画ロスト・ワールドで衝撃的なデビューを果たしたMクラス、W163は1997年(日本発表は1998年)に正式発表されました。MBには本格的クロカン車両であるゲレンデ・ヴァーゲンが既にありますが、シティユースに重きを置いた4WD-RV車両のラインナップはなく、MBはアメリカ車と日本車が大きなシェアを占めるこの市場にMクラスで参入を果たしました。Mクラスの主なターゲットは米市場であるため、生産もMクラスの製造にあたって新設されたアメリカのアラバマ工場で行われ、結果として大幅なコストダウンに成功しています。なお各モデル名は「ML」という表記になっていますが、これはBMWのMシリーズとの混同を防ぐためとのことです。
サスペンションはゲレンデ・ヴァーゲンが前後ともリジットなのに対し、Mクラスではフロント:Wウィッシュボーン+トーションバー/リア:Wウィッシュボーン+コイルとされ、よりオンロードでの走行性能を意識したものとなっています。4WDシステムもゲレンデ・ヴァーゲンのようなパートタイムではなく、W210の4マティックと同様のトラクション・コントロール機能を備えたフルタイム4WDを採用。トランスミッションは電子制御の5速ATとなります。搭載エンジンは発表当初DOHC直4-2.3L、SOHC3バルブV6-3.2Lの2種類でしたが、99年モデルから北米仕様にSOHC3バルブV8-4.3LエンジンのML430が用意されました。(1998年現在、日本仕様はML320のみです) |