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蛙の子は蛙


今日は娘の運動会。
運動会といえば、世のお父さん方はモーターショーのカメラ小僧ばりに凄い望遠レンズの付いた一眼レフカメラやビデオを抱えてベストショットのための陣取り合戦を繰り広げるのが普通です。
でも、我が家には普通のデジカメしかありませんし、ここの小学校は人数も少なく親も児童ものんびりしていることもあって、今回は母親がカメラ担当となりました。

最初の出番は徒競走です。
娘の出走順位が一番最初ということもあって、どこからカメラを構えるべきかわからず母親のほうが焦り気味。
それでも第一コーナー出口の絵的にはベストスポットに立ってシャッターチャンスを待ちます。
そこに娘が先頭で走りこんできましたから、横に居た私も、これはいい絵が撮れそうと思っていると、
「ああ、何これ!? 切れちゃった!!」
と細君が叫んでいます???

シャッター(銀色のボタン)と間違えて、手前の電源ボタンを押してしまったらしいのです。

「こんな間違えやすい場所にスイッチを配置するなんてこのメーカーの設計が間違ってない!?
 こんな上にスイッチあったらシャッターと間違えて押しちゃうよ。私、苦情係に電話する!!」

いやいや、ボタンがすぐ隣に並んでるならともかく、これだけ離れたところに配置されてるんだから、悪いのは君でしょ。


気を取り直して、今度はチーム対抗リレーです。
娘のチームは優勝候補の筆頭らしく、確かにこのところ毎朝早めに登校してバトンタッチの練習をしていました。
彼女たちの中では、優勝は当たり前、2位以下にどれだけ差をつけるか位の意気込みだったようです。

娘は4人中3番目の走者です。
大方の予想通り2位以下を大きく引き離して娘がバトンを受け取ったのを確認して、今度こそと第一コーナー出口にレンズを向けてスタンバります。
はい、さすがに同じ失敗は繰り返しません。
今度はいい写真が撮れました。

と思ったその直後、あろうことかバトンが宙を舞っています。
大きく振った手からバトンが空に向かってすっ飛んじゃったんですね。
まあ小学校ですから本当のリレー競技と違って失格にはならないのですが、拾いに行っている間に完全に最下位です。
アンカーの子の激走も虚しく結局彼女のチームは優勝どころか最下位でした。

よほど悔しかったのか、みんな泣き出します。
その中で張本人のうちの娘だけがにこにこしながら他の3人を慰めています。

いやいや、あなたが泣いてまわりが君を慰めるなら分かるけれど、負けた原因はあなたでしょ。

その様子をばしばし撮りながら、「朝の失敗はこれで取り返したわ」と満足げな母親を見て、蛙の子の親はやはり蛙なんだと妙に納得した一日でした。


by OZW



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