メルセデスのいくつもあるグレードの単なるひとつを飾るだけに成り下がってしまっていたAMGにあって「ブラックシリーズ」は、サーキット走行までもを前提にした本来のAMG復活の象徴とされています。
製作もAMG社内で特殊架装車を手掛ける「パフォーマンススタジオ」で多くをハンドメイドで組み上げるという気合の入れようです。

SL65AMGブラックシリーズはその中でもフラッグシップ的な存在で、世界で販売されるのは350台。うち12台が日本の割り当てとなっています。

6Lツインターボエンジンは、ベースのSL65AMGを60ps近く上回る670psを発揮、最大トルクは1000Nmを2200rpm以降で発揮するそうですが、これは駆動系の保護を考慮したもので、リミッターをカットすれば1200Nmだとか。
0→100km/hで3.9秒、最高速はリミッターで規制されて、それでも320km/hです。

お値段は、4880万円!!
それなのに、この番組では「世界一乗心地が悪い車」と酷評されてしまっています。
まあこれはワンピースのカーボン製シートのせいもあるでしょうから、致し方ない点はあるかと思いますが、「トラクションコントロールが過剰に介入し、OFFにすると今度は手に負えない。思い通りに走るにはゆっくり走る以外にない」というのは素人でも安全に走らせるためとはいえ、改良の余地があるのかもしれません。
現状では、SLR_MCLARENなどと比較して値段に見合う価値はないと結論付けらてしまっていますが、これだけ尖った車には酷評も勲章のうちと私は好意的に見ています。
だって、お利口さんなAMGなんて存在意義ないと思いませんか？

by OZW