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電動スポーツカー


数年後に発売予定のSLS AMG Gullwingのelectric version。
その名も "eDrive"
ゼロエミッションのスーパーカーというわけです。
4モーターで、526 hpということですが、トルクのほうは 880 Nm とガソリンのSLS AMG Gullwingを20%以上上回っています。

前後車軸の中央にそれぞれ2つのモーターとギアを配し、合計4つのモーターは各ホイールをそれぞれ独立して制御します。
センタートンネルには、400V 40Ah のリチウムイオン電池を使い、家庭でのプラグイン充電にも対応するようです。
これらの配置にあたっては、ガソリン車のアルミ製スペースフレームをそのまま使う予定ということですから、開発の最初からこの"eDrive"を想定していたということでしょう。

モータードライブのスポーツカーってのもピンときませんが、値段次第では欲しくなる可能性はあるかも知れません。






一つのモーターで一つの車輪を駆動する電動スポーツカーとしては、慶応大学で開発されたこの"Eliica"が元祖でしょう。
昨今のエコカーブームが始まる随分前に確かNHKの特番で紹介されていました。
当時既に時速300Kmオーバーは達成していましたが、この番組を見たとき、私は「ああ、この教授、今までスポーツカーを所有したことがないんだな」と思いました。
というのもホイールに直接くそ重いモーターを直付けしちゃってるわけですから、まっすぐの道しか速くない、面白くもなんともない車だということがすぐに想像できたからです。

まっすぐが速いだけなら馬鹿でかいエンジン積めば誰にでも造れるわけで、まあそれをモーターでってのは分かるのですが、根本的にスポーツカーの何たるかを全く分かってないひとがプロジェクトリーダーってのが残念でした。

今でも加速性能と最高速でポルシェを超えたっていう自慢が傍から見ていて「痛い」というか、インタビューでも、「価格面が一番の課題」って答えてましたが、「スポーツカーとしての価値」はほとんどないんじゃないでしょうか。
実際私ならこの車、置き場所困るし、タダって言われても要らないかなあ。


Eliicaのバネ下に重量物を持ってくるというのは論外としても、SLSの車体中心部に重量物をレイアウトするという手法も全く常識的なもので、これといって別に目新しいものはありません。
しかし、発売時期にもよりますが、おそらくSLSのほうは世界のお金持ちが購入して世界ではじめての電動スーパーカーとして歴史にその名を残すことになると思います。
一方SLSよりずっと前に始まった電動スポーツカーというEliicaプロジェクトは、発想も技術も非常に斬新だったにもかかわらず、魅力ある製品にするというプロデューサーが不在だったため単なる実験車として忘れ去れていくことになるでしょう。
何だかこういうのって日本にはいっぱいありそうな気がするのですがどうなんでしょうか。


by OZW



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