多段AT
私が最初に乗ったAT車はマスタングでした。 3速ATで、フル加速だと1速で 80Km/h以上まで引っ張っていましたが、巡航時は 40Km/hちょっとで3速に入りました。 とにかく低速トルクだけはあったので街乗りで今何速に入っているのかはあまり気にしないで済みましたから、まあよく出来たミッションだったと言えます。 最近、2.7L 986ボクスターの5速ティプトロに乗ることが多いのですが、ATモードにしておけば普通のAT車のように走れるだけでなく、減速時には自動的に5速から2速まで一段ずつシフトダウンしていってくれるなかなかの優れものです。 マスタングから30年以上経って造られた車だけあって、格段に進歩したATにはなっているようです。 ただ、メカニズム的に進歩したからといって、3速マスタングと比べて走りやすいかというと必ずしもそうとは言えません。 低回転時のトルクが薄い車なのに、燃費を気にする設定なのか、とっとと勝手にシフトアップしていってしまい、加速したいときにはキックダウンするようにアクセルを強く踏みつけないといけません。 ですから、市街地では感覚的に1500ccクラスの車を運転しているようなんです。 ポルシェとはとても思えないほど遅いわけで、最初はどこか壊れてるんじゃないかと思ったほどです。 こんなのろ間な車、要らない、とずっと思っていたのですが、ある日街中もすべてマニュアルモードにして乗ってみたら、これが同じ車とは思えないほど小気味よく走るじゃありませんか。 この差は何なのだろうと思って自分の運転を観察してみると、市街地走行時にはATモードの時より1段か2段低いギアにして走っているんですね。 燃費は若干悪いのかもしれませんが、その分は走りの楽しさで十分補えるのではないでしょうか。 というかATモードのあんなストレスの溜まる走りしか出来ないなら、プリウス並の燃費でも叩き出さない限りゴミ箱行きの車だと思うんですけど、こういう感覚は時代に逆行しているんでしょうかね。 ところで、今メルセデスが9速ATを開発しているそうです。 2003年に7速ATが発表され、その後 BMWとAUDIの8速ATが出て、だから今度は9速ということでしょうか。 基本は燃費のためということですから、これもドライバーの意に反して勝手にどんどんシフトアップしていってしまう設計なんでしょうね。 こういう車は私は要らないけどなあ・・・ By OZW |