単位を揃えてみたら その2
残念ながら事態は思っていたより深刻で長期化する様相を呈してきました。 前回は事態収拾に3か月もはかからないと書きましたが、3か月ではとても片付きそうもなく、現状の放射線レベルが年単位で放出され続ける可能性も考慮しないといけなくなっています。 そんな中、東京の水道水の放射性ヨウ素131の濃度が、210Bq/Lというニュースがありました。 政府が慌てて作った基準、乳児で100Bq/H、成人で300Bq/Lという限度値ですが、この数字に妥当性があるのかと思って調べてみたら・・・ WHOのホームページにあった飲料水水質ガイドラインのチャプター9にある放射性物質の濃度基準値を見て私は自分の目を疑いました。 泥のような水を飲まざるを得ないようなアフリカの奥地も含めた世界基準が、ヨウ素131では 10Bq/Lなんです。 単位が間違っているのかと思い何度も見直してみましたが、残念ながら間違いではありませんでした。 それでも、多分数週間程度なら300Bq/Lを飲み続けても問題ないレベルなのでしょう。 ホウレンソウも菊菜も洗えば放射性物質のほとんどは落ちると学者は何度も説明していましたし、多分そのまま相当量食べても問題ないのかもしれません。 また、短期間なら大気の放射線量が数十マイクロシーベルトくらいではどってことないのかもしれません。 でも、空気だけ吸って生きていけるわけではありませんし、ホウレンソウだけ食べるわけではありません。 水は必ず毎日必要です。 被ばく量はどんどん足し算されていきます。 さらに実は野菜類の発表された数値って洗った後の計測値だったことが分かりましたし、空気中の放射性物質は息をすれば吸い込むわけで、それによる内部被ばくもあります。 実際チェルノブイリ事故の時には普通に息をしているだけで外部被ばくとほぼ同じ量の内部被ばくが認められています。 これに飲み水や食べ物からの内部被ばくがさらに積算されていって「チェルノブイリの首飾り」(被曝児の喉に残っている赤い傷痕で、甲状腺癌摘出による手術跡)のような悲劇を生んでしまったわけです。 一般人に対する年間1ミリシーベルトだったはずの制限値がいつのまにかその100倍基準になり、水質基準もWHOの30倍・・・ 制限値の策定段階でその半減期も考慮されて決められているはずなのに、131-Iの半減期は8日だから問題ないと説明し、規制値を超えても直ちに健康に影響ないという発言の繰り返し。 本当に信じていいのでしょうか? いつもTV番組などではオチャラケタ感じの武田邦彦教授が今回ばかりは真面目な口調でこう書かれています。 私には至極まっとうな意見のように思えます。 By OZW |