バッテリーの交換
一昔前の車なら何も考えず古いのを外して新しいのに付け替えるだけの非常に簡単な作業だったのですが、近頃の電気仕掛けの車は一旦バッテリーを外してしまうとその後多くのリセット作業が必要になったりしますから、交換バッテリーとは別にもうひとつバッテリー(電源)を用意してターミナルケーブルに繋いだ状態で交換時にも車両に電源を供給し続けないといけません。 これを知らずに昔の感覚で普通に交換して、いざエンジンをかけると、ESPの警告灯が出て消えなかったり、ウインドウやサンルーフのワンタッチ開閉が出来ないとか、シート、ステアリング、ヘッドレストなどの位置メモリーが効かなくなったりして、焦って当社に連絡してくる方がいらっしゃいます。 こういったエラーのリセット作業は、だいたいどの車種でも似たようなやり方のようですが、当然メーカーや車種によって細かなところは異なっていて、当社でも全ての車種について把握しているわけではありません。 たいていは取説などに記載されているようですので確認してみてください。 ちなみに W215 CL55 の場合は ・BAS・ESPエラーのリセット エンジンを掛ける -> ステアリングを左に一杯に回す -> ステアリングを右に一杯に回す ・ステアリングコラムのリセット エンジンを掛ける -> ステアリングコラムを最下部に移動してそのままレバーを10秒間保持 -> ステアリングコラムを最上部に移動してレバーを10秒間保持 ただ、下には下がるけど上に上がらないというトラブルがたまにあるようなので、少しだけ下げて上に上がるか確認してからこのリセット作業をしたほうがいいと思います。 体格のいい人だと乗れなくなってしまって整備工場までも持って行けなくなってしまいますから。 バッテリー交換をきっかけに壊れるというより、壊れていたことにこのとき気づく、ということがままあるようです。 ・ヘッドレストのリセット キー位置を2(=オン)-> シートを最前部かつ最下部に移動 -> 上昇&下降のスイッチ操作をそれぞれ2秒間保持 ・サンルーフのリセット キー位置を2(=オン)-> サンルーフの後部だけを開けてスイッチを1秒間保持 ・パワーウィンドウのリセット キー位置を2(=オン)-> ウィンドウを少し開ける -> スイッチを深く押してウィンドウを全閉した状態でスイッチを2秒間保持。 これを全ての窓で行う。 なんだか面倒くさそうですが、バッテリー外した状態でしばらくするとECUやTCUなどが完全にリセットされるされるようなので、渋滞ばかり走っていたひとはかなりキビキビした走りが取り戻せるかもしれません。 それにパソコンの再起動のように電機系の変な動きが治ったりなんてこともあるようですので、バッテリー交換を機に敢えてやってみるのもいいかもしれません。 By OZW |