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スターターモーター


スターターモーターの構造は大きくいうと、イグニッションオンのときにフライホイール外周のリングギアにスターターのギアを噛みこませるためのソノレイド部分とそれを回転させるためのモーター部分から成っています。
このソノレイドはモーター部分へのメイン電流のスイッチも兼ねているので、中のプランジャーの動きが悪くなるとギアがうまく噛まなくなるだけでなくモーター自体も動いてくれません。

バッテリー電圧は正常なのに、イグニッションオンで「カチッ」と音がするだけでセルモーターが回らないという場合はたいていこれですね。

ちなみに、電気的な接触不良であれ、物理的な不具合であれ、プランジャーが動いてくれない場合の応急処置は、叩いたり蹴っ飛ばしたりするのが一番です(笑)

もちろん、何回かはショック療法で凌げても、さすがにそう長くは持ちません。
実はテスト車両のポルシェ964もプランジャーが上手く飛び出してくれないことがたまにある状態のままにしておいたら、ちょうどナガセさんところでの取材の最中にもううんともすんとも言わなくなっています。

スターターが動かなくなる原因は、ソノレイドのほうが多いのですが、実はモーター部分のほうもいろいろとありまして、例えばブラシが摩耗して回らなくなるなんてこともあります。
走行中にも回転し続けるオルタネーターなどと違って、普通の状態でブラシが摩耗してなくなるなんてのは考えにくいのですが、ブラシが接するコミュテータのほうが浮いてしまってブラシを削り落としてしまうというケースはたまに目にします。

ベンツのスターターモーターは丈夫でソノレイドスイッチだけ交換すればOKというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、そうともいえないところはあるようです。
実際、ソノレイドスイッチのほうだけで部品が出るものもありますが、こちらを換えてみたけれど結局モーターのほうもダメで全部買い直さなくてはならず結果的に余分な出費となってしまうケースは結構多いんです。

もっとも最近はリビルトでも新品でもアッセンブリーでしか供給されなくなってきていますから、悩む必要もなくなってきていますけどね。


By OZW



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