ダイナミックエンジンマウント
500E倶楽部 編集後記でも記事にしている電子制御エンジンマウントですが、スポーツカーのトレンドとなっているようで、メルセデスでもSLSの後継モデルにあたるAMG GT S や C63 S には標準装備されています。 しかも、こちらはミッションマウントにも同じ機構が採用されました。 これ、原理は結構単純でオイルなどの流体に磁性体を混ぜておいて、そこに電磁石を突っ込んでおきます。 必要な時に電磁石に電流を流すとオイルの中の磁性微粒子が整列するわけですが、そうするとオイルの粘度が一気に増大するというものです。 原理は簡単ですが、メルセデスの場合は、コイルに流す電流は単純なオン・オフではなくて走行モードスイッチ、加速度センサー、横Gセンサー、エンジン回転数とスピードなどの情報を読み取って電流値を可変させているようです。 M119に流用できないか、ということではなくて、AMG GTSの購入を検討されているお客様から 「エンジンマウントって消耗品でしょ?」 「メルセデスケアが有効な3年間はいいとしても、交換時期は多分その後になりそうでしょ。これいくらするの?」 と聞かれたものですから、調べてみました。 安くはないだろうことは容易に想像できますが、ちょっと予想外だったのはエンジンマウント、ミッションマウントともに左右2個ずつで合計4個も使っていたことです。 4個とも品番はそれぞれ別々ですが、値段は全部同じです。 税別で1個92,300円! 税込だと4個で40万円ですね。 AMG GT-Sの新車価格が、1840万円。 W124 E60 AMGが 20年以上前で2000万円ですから、今の感覚だと3000万近いことを考えると、AMG GT-Sはかなりリーゾナブルな価格設定なんですが、新車保証が切れてからの維持はかなり大変そうです。 加えて、W124 E60が 20年以上経った今でも新車時以上のパフォーマンスを維持できているのとは対照的に、AMG GT-Sはアルミニウムスペースフレームで、フロントまわりの一部部材をマグネシウムにしているとなると、そのボディー剛性も 10年持つのかな?という感じです。 これをそのままお伝えすると 「安物買いの銭失い、ってやつだね」 1840万円を安物と表現する感覚にはちょっと驚きましたが、まあそういうことなのかもしれません。 By OZW |