R231 SL550
日曜日、現行型のSL550を運転する機会を得ました。 1時間ほどのドライブでしたが、郊外の一般道と東名高速、それに首都高も走れたので、一通りは体験できた感じです。 4.7Lのツインターボで、435PS、トルクは71.4kgということですが、過給器エンジンの宿命かこれだけ暑いとおそらくカタログ値の90%も出ていないんじゃないかと思います。 エンジンルームが暑くならないうちの一発目の加速でも、マフラー交換前の私のE60に及ばないくらいでしたが、30分元気に走った後は、「壊れた?」と思うほど遅くなってしまいます。 この車、ABC(アクティブサス)が標準装着されていました。 乗り心地は、スポーツモードにしても以前私が乗っていたCL55 AMGよりソフトでしたが、コーナリング時にロールしないABC独特のフィーリングはCL55とそっくりです。 限界はかなり高そうですし、仮に限界を超えてもESPが上手く修正してくれるだろうという安心感はありますが、どこが限界点なのかを探る気にならないのもCL55と同じでした。 メルセデスがABCサスペンションを市販車に採用して15年。 このSLに装着されているのは第二世代と言われるもので、第一世代と比べて細かな部分は進化しているのでしょうが、少し乗っただけではその違いは全く体感できませんでした。 ここ数年、メルセデスのアクティブサスに関するインプレや評論を全く見なくなってしまいましたが、なるほど、これではライターさんも何か書けといわれても困ってしまうでしょう。 ひとつ謎が解けた感じです。 ここ10年、燃費を含めたエンジンやATの進化に比べるとサスペンションの進化は止まってしまっているようにさえ思えます。 ハイドロ、マルチリンク、エアサス、ABC、現行S65に採用されたマジックボディコントロール、と進化し続けてきたはずのメルセデスのサスペンションですが、30年以上前に設計されたW126 500SEのダブルウィッシュボーンとセミトレーリングアームという古典的な組み合わせのサスペンション形式が今でも全く色褪せないのは皮肉なことかもしれません。 言うまでもなく、サスペンションはボディーとの一体構造の中で作動するものです。 形式だけ進化させても、アルミとプラスチック多用のボディ、ボルト留めのフレームにプレスしただけの軟なアーム類ではまともなものは作れません。 作ってる側は分かっているのでしょうが、消費者が分かっていないとこの流れは止まりません。 By OZW |