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セッティング

 
W124 3.2 AMGだった車両なんですが、随分前にエンジンはM103 3Lのノーマルエンジンに載せ替えられていました。
さすがに、それではかったるい、ということで、今回フルコン化と排圧可変マフラーの装着依頼でえちごやに入庫していたものです。

それが全て装着完了し、ベンチテストも終わり、最後の実走行テストで、皆口さんから
「付き合う?」と言われて昨夜最終調整で同乗させてもらいまいました。




テストコースは東海北陸自動車道。
夜10時から午前0時までが勝負です。
0時過ぎるとETC割引を狙ったトラックが一斉にSAから出て来るのですが、それまでの間はかなり空いているのと、結構な高低差があるものですから、気圧の変化や坂道で負荷がかかった時と抜けた時のテストもやりやすく、テストコースとしてはもってこいの場所です。

走行テストというと最高速を狙った走りやドラッグレースのような全開走行をイメージしがちですが、実はそういう走りはベンチテストで出来るので、60km/hから100km/hくらいまでの間をゆっくり加速していったり、途中でアクセルを抜いてすぐまた踏み込むような実際の走行でありがちなパターンでもギクシャクしないような細かなセッティングがメインです。
ですから、道路が空いていて便利というのは、前が空いているからというより、むしろ後ろに車がいないというのが重要だったりします。




地道な作業でした。
各回転数とそのときの負荷に応じて、ポイント毎にインジェクションの噴射量、噴射タイミング、点火時期まで合わせていくわけですから、かなり時間もかかりますし、ドライバーと、助手席で空燃比計とPCの数字を読み上げてキーボード叩く人との間で、呼吸を合わせながら作業していく必要もあって大変です。

もちろん、えちごやではこのM103エンジンだけでも過去に何台もフルコン化しているので、データの蓄積もあり、以前作ったクルマのデータをそのまま使っても特に問題はありません。
ですが、今回はこのエンジンではじめてタコ足と排圧可変マフラーを組み合わせたというのと、やはりエンジンの個体差もあるので、どうしてもデータ変更は必要ということでした。
実際、排圧バルブが開閉する前後では大きく数字を動かしていました。

そうするとエキゾーストサウンドまで変わるわけですが、バルブが開いてからのサウンドはやはり6気筒、痺れます。
閉じているときにはノーマルより静か、3,300rpmあたりを越えるとサーキットのパドックにいるようなカーンという甲高く響き渡る綺麗なサウンドです。

この数字をいじるとリアルタイムでクルマの挙動が大きく変わるものですから、大変なんですがやっていて凄く楽しい作業でした。

日付が変わるころには、エンジン本体には全く手が入っていないこの3Lノーマルエンジンで、下手な500Eなら鴨れちゃうくらいまでになっていたから驚きです。


By OZW



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