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W124 500E ボディの亀裂 その3

 
フロントボディーの補強といえば、ストラットタワーバーが真っ先に浮かぶかもしれませんが、車によってはストリートではかえって曲がり難くなったり逆効果だったりします。
例えばBMWでは E30では効果が実感できたのですが、E36以降だと付けないほうがむしろいいのではと思う車種もありますし、W124なんかですと、付けても付けなくてもあまり変わらないような気がします。

車によって補強すべき場所というものがありますし、闇雲に何でも強化すればいいというわけではありません。
ボディ全体のバランスが一番大事です。
何かを大きく補強すれば他のどこかにそのシワ寄せがいきます。
なので、今回の補強も強度計算して、ステン板の厚みは、おそらく皆さんが想像されているだろうものより薄いものになっています。


さて、接着剤の完全硬化後に、バンパー、フェンダー、サッコパネル(爪は全部新調します)を取り付けて試乗に出ます。

補強前、つまり少しだけヒビが入った状態と比べると、駐車場から一般道に出て、時速10kmでもその違いが分かります。
スタッドレスタイヤと普通のラジアルタイヤを乗り比べたくらいの違いです。




バイパスに出て少し速度を上げてみると、タイヤの接地感がまるで違っていました。
アジア製の安物タイヤからコンチネンタルのスポーツコンタクト5Pに履き替えた感じです。
そんなに違うのかと思われるかもしれませんが、壊れていたものが直ったわですから、これくらいの差が出るのはむしろ当然です。




都市高速の急なコーナーの進入での頭の入り方、コーナリング中の挙動などは私の頭の中にある新車の500Eと同じ動きです。
新車時以上の補強をしたはずなのですが、結果的にはそれくらいでちょうど良かったということになります。
思惑通り、5Lモデルではベストセッティングでした。
好みにもよると思いますが、6Lモデルならあとコンマ2mm厚くしてもいいかもしれません。


W124 500Eの場合、Aピラーとフロントインサイドパネルのつなぎ目は、アグレッシブな走りをするひとは、数万kmでもヒビが入ります。
実際私の60は、前オーナーが 300Km巡航企画なんてのをやっていたくらいですから、10万kmより大分手前で、キシキシ音が大きくなってきたので、フェンダー外して見てみたら、全体の半分近くまで亀裂が入っていたそうです。
逆に普通に走っているだけでも、10万kmあたりから、遅くても15万Kmまでには、ほとんど全ての500Eで小さなクラックは発生してしまうようです。

サスペンションをリフレッシュしたのにコーナーでの頭の入りが少し怠い感じがしたら、これが原因かもしれません。
もっとも新車時の乗り味を知らない方も多いでしょうし、徐々に緩くなったボディは気づきにくいと思います。
でも、乗り比べてみれば誰でも分かると思いますので、機会があれば当社にちょっと寄ってみて下さい。


今さらなんですが、FaceBook始めました。


By OZW



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