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ALPINA B10 3.5


ALPINA B10 というとB10 Bi-Turboの印象が強く、E34ベースのものが浮かぶと思いますが、これはE24 6シリーズベースのB10 3.5 です。

当時世界一美しいクーペと言われただけあってそのスタイリングは今でも全く色褪せていないと私は思うのですが、リアのCピラーが細く十分なボディ強度が出せていなかったり、フロントノーズが前に行くほど下がっている関係で、コアサポートに囲まれたラジエタースペースが大きく取れないなどの問題がありました。

今では考えられないことですが、当時は夏でもそれほど暑くならなかったドイツ国内でさえ新車時からオーバーヒート気味だったくらいですから、日本の夏はかなり厳しかったようです。




ニコルレーシングで苦肉の策で後付けられた電動ファンなのですが、これでは冷えません。
でも、よく見てみてみると不思議なことに気づきました。
最初の写真にあるコンデンサーとラジエター用のフロント開口部がラジエターの大きさより明らかに狭いではありませんか。
ラジエターの上下左右それぞれ10cmくらいずつ開口部のほうが狭く、その部分には全く風が当たっていません。

付いているラジエターの品番を調べるとこの車両用で間違いありません。
「どういうこと?」
と思って調べてみると、新車時にはコアサポートのサイズに合った現在より一回り小さなラジエターが付けられていたみたいです。
それが、本国でもオーバーヒート続出するので、ALPINAの指示で今のひとまわり大きなラジエターに変更になったようです。

大きくしたって風が当たらないなら意味ないのですが、とりあえず冷却水の容量は増えるので多少の誤魔化しにはなったのでしょう。

W124 E60 AMG 設計のときの想定温度は摂氏22度 (当時ゲンロクの編集長だった田中氏がアウフレヒト当人に直接確認されています)だそうですが、このB10は、15度くらいだったのでしょうかね?

さて、これどうやって水温コントロールするか、E60よりも大変そうです。



By OZW



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