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レベ脚

 
90年代のハイパフォーマンスカーはメーカー問わずかなり多く乗りました。
この中で、この先もこのままでいい、と思ったクルマが2台だけありました。
一台は、E34 Alpina B10 Bi-Turbo。
そして、もう一台が W124 500E です。
幸いB10 Bi-Turboは所有することが出来ましたが、500Eはたまに友人のを借りて乗る程度でした。

当時、不思議に思っていたのですが、実はこの2台乗り味が似てたんです。
BMWの直6 ターボと ベンツのV8 ノーマルアスピレーションですから加速の仕方も全然違うし、サスペンション形式も、ステアリングの味付けも違うのですが、直進時の段差の乗り越え方とか、コナーリング中の荷重移動の仕方が同じ感覚なので、どちらからどちらに乗換えても違和感がありませんでした。

今さらながら、あれは何だったのだろうと考えてみると、どちらもサスのストローク量がたっぷりあって、リアがレベライザーだったんですね。

レベ脚だとトラクションが抜けるとか、超高速域だと脚の動きが付いて行かなくなるという意見があることは知っています。
ですが、Bi-Turboでも 500Eでも、一般道ではそんなことを感じたことは私は一度もありません。

多分、この不満を一般道で経験できるのは、とんでもないスピードで車線変更を繰り返すとか、超高速でコーナー突っ込んで、ベタ踏みでコーナー回っていくような、超変態なひとくらいじゃないでしょうか。
500乗りの100人に一人いるかいないかくらいだと思います。




私の60の前オーナーは、その変態のひとりだったらしく、レベを取り払ってしまって、えちごやサスキットを組み込んでいました。
戦車用サスと同じ鋼材で、AMGサスより0.5kgだけ上げたバネレートで特注したスプリングは永久にヘタらないくらいの耐久性があります。
ショックもアッパーマウントに合わせた特注品、倒立式で、フロント36パイ、リア46パイ、ノーマル比では 1.5倍以上の減衰力です。
乗り心地はノーマルよりは硬いですが、1G状態からのストロークは上下とも80mmくらいはあってノーマルとほとんど変わりません。
そのため、一般道を含めてあらゆる領域で非常に安定しており、破綻することがありません。
特にトラクションかけながら曲がっていくときは最高の足回りで、確かにノーマルレベ脚より数段レベルが上だと実感出来ます。
ですが、この脚を活かすには、LSDは必須、エンジントルクも60Nmくらいは欲しいので、ノーマル500Eでは役不足です。

やはり、99%の方にはノーマル500にはノーマルレベ脚が一番だと私は思います。

もしノーマルレベ脚に不満があるようでしたら、よく考えてみて下さい。
あなたはそんな変態の走りをするひとですか?
もしそうでないなら、あなたの500の脚はどこか壊れています。
安易に適当なレベ無しのサスキットを組むより、オリジナルをちゃんと直して乗るほうが間違いありません。




そんなわけで、現在入庫中のこちらの500もストック状態に戻していきます。
幸いなことに、社外サスキットを組んだ時に元に戻せるようにと、ほとんどのパーツはそのまま残されています。




ただ、レベロッドなどは無くなってしまっているので、これは発注しました。
日本にはなく、ドイツ在庫がなんとかあったのですが、本国在庫分がなくなればそれで終わりのような気もします。
レベに戻すなら、今のうちかも知れません。



By OZW






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