W124 300TE 足回りのリフレッシュ その14
サブフレームを車体に取付けたら、1G状態にしてから、マルチリンクの増し締め、トルクチェックを行っていきます。 通常はドライブシャフトが水平になる位置を基準とするのですが、このクルマの場合は特殊なタイヤを履いているので、そのタイヤ、ホイールを取り付けた状態での1G車高を決定します。 その状態で、振り下げを使って、フェンダー頂点からハブセンターまでの距離を測っておきます。 ホイール・タイヤを外して、もう一度その位置まで持ち上げてから作業していきます。 1箇所トルクチェックしたら必ずマークを付けます。 2、3箇所まとめて締めて、2、3箇所まとめてマーキングしていくということは絶対にしないように徹底しています。 必ず1箇所ずつです。 以前、124ではありませんが、マルチリンクがきちんと締まっていない車に乗ったことがあります。 乗ってすぐ酷い車だと分かりましたが、ブッシュ類が全滅なのかと思っていました。 酷い車なのでコーナリングを攻めるなんてことは、はなっからしませんでしたが、ボロいなりには曲がっていくんですね。 でも、怖かったのはむしろ直進時です。 高速を100km/h巡航していると、風もないのにたまに風速20m以上の横風に煽られたようにふらつくわけです。 ずっとふらついているわけではありません。 何のきっかけなのか分からないのですが、突然ふらっときます。 恐ろしくて、80km/h以下にスピードを落とすと頻度は減るのですが、症状が治まるわけではありません。 これは絶対おかしい、ということで調べてみると、規定トルクの半分くらいしか締められていないアーム(上のほうにあるレンチが入れ難い位置にあるアーム類)が何本かありました。 上側よりはまだ締まっていた下側のアーム類は、1G状態ではなく、車をリフトアップしてホイールがダランと下がった状態で締められていました。 ふらついた時に強いブレーキを踏まなければいけなかったらどうなっていたのだろうと思います。 1G状態で印を付けておいて ホイール部分を持ち上げていたリフトを外してアーム類が一番下まで下がると、ブッシュがこれだけ捻じれることが分かります。 ということは、一番下がった状態で締めてしまったら、通常の1G状態のときには逆向きにこれだけ捻じれてしまっていることになります。そこから更に荷重がかかって沈み込むときには、必要以上の抵抗となり、最悪ブッシュが破れてしまいます。 このブログの読者の方には、「またかよ」ってくらい当たり前の話かもしれませんが、世の中的には必ずしも当たり前にはまだなっていないようです。 By OZW |