趣味の全塗装
この500、普通の全塗装というより、ほぼレストア作業でした。 毎年雪道を走ってそのままにしていたものですから、ドアより下の部分が全部腐蝕してしまっていて、その手当と補強、さらに錆止め処理も厳重に施してからの全塗装です。 その全塗装も特殊な技法でクリア層を重ね塗りしてあるため、そこらへんの全塗装とは仕上がりも全く異なります。 えちごや皆口氏が、最高レベルの塗装を望まれるお客様の車に関しては、ここ10年以上そこに頼んでいるという腕利きのところです。 少し前に、10年前にここで全塗装した190E と ヤナセのクラシックセンターで250万円以上かけて全塗装したばかりという500Eを並べてみたのですが、誰が見てもあきらかに10年前に塗った190のほうが艶があって綺麗でした。 今回のこの500、ディーラー系のレストア専門店の見積では、ほとんど新車のCクラスが買えるような値段を提示されましたが、それよりは3割以上安くあがったようです。 外せるものは、モールもガラスも内装も全部外して塗るのは言うまでもありませんが、実はそんなものを外す手間くらい何でもないようです。 実際色んなものを外して塗るだけなら、1ヶ月もかからないわけで、それ以外の下地作りの作業にとんでもない時間をかけて仕上げるのが、ここの凄いところです。 ここまでこだわってしまうと、ビジネスとしては成り立たず商売抜きでやっているのだそうです。 食べていくための仕事としては、保険修理をメインにやっているのだとか。 一方、こういう旧車の全塗装は、オーナーの気持ちが入ってくるので、それに応えるレベルでやると会社が潰れてしまうので、従業員には触らせず自分だけで夜な夜な作業しているのだそうです。 ある意味、趣味でやっているような感じです。 そんなわけで、こだわりの顧客の依頼は絶えることなく、実はこの500と入れ違いに次の500が入庫していきました。 今度はかなり程度のいい500なので、半年くらいで仕上がってくるんじゃないかと思います。 By OZW |