純正SST
メルセデスのマルチリンクサス、ロワアームのブッシュは2個一組で、中心にスリーブを入れ、それで連結させる仕組みになっています。 スリーブの片側は開いていますが、反対側はブツ切りのままです。 ブッシュ挿入後ブツ切りになっている部分を開いてカシメて、2つのブッシュを固定しないといけません。 そのためのSSTが、これです。 小さいほうのアダプターは開いているほうに、大きいほうをブツ切りになっているほうに使います。 スリーブの内径に合わせたサポートが先に入って、スリーブを内側から保持した状態で、終端を拡げてフランジを作る仕組みです。 大きいほうのアダプターの内部にはスプリングが入っていて、ブッシュとの接合面が押されると下に下がっていき、相対的にサポートが上がり、根元にある傘状の部分でカラーを広げてフランジを作っていきます。 一定の所まで押し下げられるとストッパーに当たるような仕組みになっているので、止まるところまで締め込んでいけば、ちょうどいい塩梅で完成するというわけです。 ブッシュが押込まれた状態でフランジが作られるのが重要で、緩々の状態で拡げてもあまり意味がありません。 ただ単にカシメを作るだけのために、こういう凝ったSSTを用意した当時のメルセデスはやはり凄かったと思います。 By OZW |