W126というクルマ
W126の設計は、すでに1973年に始まり、W116の後継として、「乗り心地」「ハンドリング」「燃費」そして「安全性」の向上を主要テーマとし、開発が続けられました。 ボディーデザインも、空力を重視して、あのサッコパネルという名前の由来にもなっているBruno Saccoによって、1977年には今のこのデザインに最終決定されています。 なんと40年も前のデザインなんですね。 その後1979年のフランクフルトモーターショーでデビューし、1981年には米国で 380SEがカーオブザイヤーに選ばれました。 1991年に後継のW140が発売されるわけですが、南アフリカの生産工場では、1994年まで製造が続いたので、この分も含めると W126は実に16年間に亘って製造され続け、最も長寿なSクラスとなりました。 中でも、500SEは最初から最後までラインナップに入っていたモデルでもっとも長く生産された126です。 但し、日本に正規輸入されたのは、90年と91年の2年間だけですし、並行輸入もロングボディーが多かったものですから、日本ではどちらかというと希少車種になってしまいました。 上が標準(ショート)ボディー、下がロングです。 ホイールベースやリアドアのウインドウの形を見ても長さの違いが分かると思います。 全長で140mmも違いますから、ドライブフィールも随分異なります。 どちらを選ぶかは、デザインの好みや用途にもよりますが、ショートのほうが運転自体は楽しいと思います。 高強度低合金(HSLA)鋼という100年は持つと言われた耐食性に優れた素材のボディーや、大きなストロークで独特な乗り心地を実現させている馬鹿みたいに凝ったサスペンションも、この先もう二度と採用されることはありません。 程度のいい126を見つけるのは難しくなっていますが、手に入れるなら今が最後のチャンスかも知れません。 By OZW |