今の会社を始める前、私はある地方都市で教育関係の仕事をしていました。
小中学生の学習塾と英会話学校、幼稚園や小学校への外人講師の派遣なども
やっていました。
特に塾で私が直接受け持った生徒は、格好をつけるわけではありませんが、
みんな私の自慢の教え子たちばかりです。
今でもその町のショッピングセンター、病院や市役所などに出向くと彼らや
彼らのご父兄に必ず出会い、向こうからわざわざ挨拶に来てくれたりします。
おそらく今でもそういった所で何かの順番待ちなどをしていれば便宜を
はかってくれたりするでしょう。
ただ、これは昔も今も「気持ちはありがたいが、順番をきちんと待っている
ひとがいるのだから、順番通りに処理してください」と言うことになり
ますが。
正直ヤセ我慢ですが(笑)、私にとって彼らがいつまでも自慢の教え子あり
続けるためには必要なことだと思っています。

去年私が直接受け持った最後の教え子たちが遊びに来てくれました。
女の子５人でディズニーランドに行ってきたのだそうです。
そんな彼女たちももう適齢期です。
昔話に花を咲かせたあとは、カレの話になります。

Ａ　　　「飲み会でいい感じかなと思ってアドレス交換したの。何度か
　　　　　メールで話して会うことになったんだけど、迎えに来た車が
　　　　　なんだか分からないけどドアが２つしかないのよ。何これ！
　　　　　後ろに荷物は置きにくいし、乗り降りしにくいし、ドア重いし、
　　　　　最低よね。」
ＣＤＥ　「えっ〜、今どきスポーツカー？？　最悪〜！！」

聞いても結局車種は分かりませんでした。
今時の子は車種名なんてほとんど知らないようです。
ましてドアが２枚しかない車なんて。
ただ、どうもトヨタの車であったことは確からしいです。

私　　　「デートにスポーツカーはダメなのか？」
全員　　「車でスポーツって意味わかんない。乗り心地悪そうだし、
　　　　　だいたい誰か乗せて走るような車じゃないでしょ。ひとりで
　　　　　走ってればいいじゃん。」
Ｂ　　　「ポルシェくらいなら許せるけど・・・」
ＡＣＤＥ「そうそう。ポルシェなら許すわよね」
私　　　「フェラーリならどう？」
全員　　「そこまでいくと怪しいぃ。」

時代は変わったものである。

先週、Ｂ子からメールが届きました。
結婚を考えているカレを連れて行くから会って欲しいとのこと。
ちょうど仕事で２人とも上京する用があるらしい。
いや、私は君の親じゃないんだから・・・・
だいたい、その彼には私のことをなんと説明するつもりなのだろう？
それでもどうしてもということなので、とりあえず一緒にお茶することに
しました。
育ちのよさそうな好青年でした。
有名大学を出た後２年ほど英国に留学し、今は父上の経営する会社で働いて
いるそうです。
いろいろ世間話をしたあと、車は何に乗っているの？と聞くと

「ポルシェです」

なるほど、そういうことか。

by OZW