土地が手に入ったら次は家。
そこに住むわけじゃないんだから、優先順位は出来るだけ安く建てる
ということになります。
いろいろ調べてみるとログハウスか２Ｘ４の建材をアメリカかカナダ
あたりから自分で輸入して全部自分で建てちゃうのが一番安上がりの
ようです。
１００平米くらいのなら多分ベンツのＣクラス一台分くらいでいける
かも。
ただ、すでにリタイヤしているひとならともかく、普通そこまで時間
はありませんよね。

そこで、またいろいろ調べてみると、サッシやドア、システムキッチ
ン、便器に洗面台などのいわゆる備品類は自己仕入れだと半分以下に
できることや、工務店もコンペ形式というプランを提示していくらで
引き受けるかを工務店側が入札していくオークション方式を利用すれ
ばかなり費用を抑えられることが分かりました。
これだと予算はＥクラスの上級グレードくらいでいけるかも。

ということで、まずは間取りなどの基本設計は自分でやります。
ここで大活躍したのが設計ソフト「明日家ＰＲＯ 体験版」
どんな間取りもちょちょいのちょい。
内装も決めてテーブルなんかも置いちゃえば家の中をバーチャルに
歩き回って雰囲気まで確かめられちゃうという優れもの。
真南と南東方面の両方に絶景が広がってるので家をくの字に曲げて
両方の景色を楽しんじゃおう。
土地は無駄なくらい広いんだから平屋でいいよね。

あとはコンペに出して一番安いところで
と思っていたのですが、結局お願いしたところは一番安いところで
はありませんでした。

「いくら安く建てたって住めないような家じゃ仕方ないだろ。
普段使わない家なら、基礎はウッドデッキの下まで全部コンクリに
しとかないと湿気が上がってくるし、さらに強制換気も考えとかな
きゃすぐカビるぜ。
それにこの辺りの冬はマイナス１０度以下にもなるんだから断熱
もしっかりやらないと冬は使えないよ。
だいたい冬寒い家ってのは、夏も暑いんだから。
家は見てくれより基本性能ってのが大事なんだよ」

なるほど、仰るとおりです。
車だってボディー剛性のない車にいくらロールバー入れたって
どうにもなりませんし、サスペンションの設計自体がダメのに
ショックやバネを何に交換しても性能は引き出せません。
そう、基本性能が一番なんです。
メーターが浮き出て見えるとか、乗り降りのときにハンドルが動く
とか、リモコンでドアが自動的に開閉するとか、そんなのどうだって
いい問題なんです。

少なくとも１０数年以前の日本車とドイツ車の違いは、まさにこの
基本性能の違いだったはず。
ベンツよ、原点に帰れ！！

そんな訳で施工はこの地元の工務店にお願いし、湿気対策で無垢材
を多用したり、窓や玄関ドアなども含めて断熱性能は北海道並に設計
し直したりと、予算はもうＳクラス。
その上やはり床暖がいいとか、どうせ無垢材ならヒノキがいいとか
青森ヒバがいいとか言い出すともう完全にAMGレベル。
おいおい基本性能重視でオプションはどうでもいいんじゃなかった
っけ？？

それでも、サッシ、網戸、シャッター、ドア、システムキッチン、
トイレ、洗面台、風呂桶、それに材木の一部もネットを駆使して
平均上代の３〜４割で自己仕入れして、３００万近くカットに成功。
これには工務店の人もびっくり、仕入先を教えてあげたらすごく
喜んでました。