上の息子は小さなときから喘息気味でした。
それが都心に引っ越してきてから悪化したようです。
以前の住まいが家にクワガタが飛んでくるようなところでしたから、
ここの空気とは比ぶべくもありません。
医者には出来るだけ環境のいいところで体力をつけるように育てる
のが一番と言われましたが、それが出来れば苦労はしません。
せめて夏休みやたまの週末くらいは空気のきれいなところで過ごさ
せてやりたいと思い、ドアトゥードアで2時間圏内の別荘地を探し
てみました。
探すのは週末になるのですが、時期的に秋の行楽シーズンに入る頃
だったということもあって、道路が混んで仕方がありません。
富士五湖や八ヶ岳方面は中央道に入るまでに既に1時間以上かかっ
てしまいます。
軽井沢方面はさらに酷い。
それが東北道方面だと嘘のように空いているわけで、ちょっと朝
早く出れば那須高原は余裕の2時間圏内だと分かりました。
適当に不動産屋に入ってみましたが、どれも値段なり。
いいと思うのは高いし、安いのは安い理由がある。
「お客さん、それだと競売物件でも無理ですよ」
不動産にお買得物件は存在しないというのは昔から言われている
通りです。
うん、待てよ。
競売物件という手があったか。
ナビで調べてみるとそこから一番近くの裁判所は福島県白河市に
あるようです。
白河といえば那須岳の東の麓、芭蕉もその紀行文の冒頭で
「春立てる霞の空に白川の関を越えんと、
そぞろ神のものにつきて心をくるはせ」
と記した東北の玄関口として有名な地でです。
ご存知の方も多いと思いますが、競売物件も今はネットでも閲覧
できたりFAXで情報を取り出せるようなものも多く、わざわざ
裁判所まで足を運ぶ必要がなくなってきています。
が、福島地裁白河支部のここはまだ全くオンライン化されておらず、
ここまで来ないと情報は得られません。
案の定、数は少ないですが買い手がつかず再競売を繰り返し、その
都度最落価格が下げられていき、信じられないような値段が記さ
れた物件ばかり。
その中にバブル崩壊後に造成が完了したものの全く売れずに破綻し、
後に整理回収機構に債権が移った土地がいくつもありました。
一つの造成地内だけで何十区画も売れ残りがあって、最初の競売時
に付けられた最落価格の6分の1以下の最落価格になっているもの
もありました。
とても土地の値段とは思えないような価格です。
早速知り合いの土木関係者についてきてもらい現地視察。
那須岳の東、標高500mほどにある造成地、そこの一番上の南端
にある500坪ほどの宅地です。
遠くまで遮られることのない景色は絶景です。
電気、ガス、水道も引込み済み。
ショッピングセンターまでは10分ほど。
造成方法も問題なしとのこと。
そこで、最落価格で入札することに。
入札は郵送でもOKなので、ヤフオクほどはお気軽ではありません
が、ほとんど通販感覚でできます。
結果は、入札者ひとりだけということでめでたく落札。
家やマンションだと欠陥住宅だったり変なのに占有されてたりとか
権利関係がややこしいことがありますが、土地は見れば問題あるか
どうか分かりやすいし素人にも手を出しやすい競売物件です。
特に田舎の土地を探しているひとは競売お勧めですよ。
by OZW
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