長兵衛
家に近くにある駄菓子屋さん。 看板には「山本商店」とありますが、子どもたちは皆「長兵衛さん」と呼んでいます。 店の前の路は両側ともドン突きなので車の通りもほとんどなく、子どもたちが走り回って遊んでいたりして、ここに立っていると高層ビルや近代的なマンションが林立する都心で、まるでここだけ時間が止まっているような感覚をおぼえます。 下の娘と一緒に店に入ると、このお店には似つかわしくない50代と思しき上品な女店主が話しかけてきてくれました。 長兵衛という店名の由来を聞くと、明治の初めまでここの店主だった「山本長兵衛」の名前を取り1885年(明治18年)からは、この名前で営業しているとのこと。 それより前のことはよく分からないということでしたが、少なくとも百数十年は続く老舗ということになります。 明治の頃は煙草屋だったそうですが、その後しばらくは、雑貨屋(よろずや)だったそうです。 この通りのすぐ先には昔船着場があって、その頃はこの路がこの辺りのメインストリートだったので、多くの通行人にとって元祖コンビニのようなお店だったわけです。 現在の駄菓子屋になったのは昭和50年代になってからといいますから、このお店の歴史の中では比較的最近のことです。 あと何年駄菓子屋なんでしょう? そして、駄菓子屋の次は・・・・? やはりここも確実に時間は流れています。 by OZW |