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チューニングの不合理


R32 GT-Rが現役だった頃、GT-Sをせっせとチューニングして「打倒GT-R」なんてやってた人たちがいました。
結局400万円くらいかけて、ノーマルGT-Rよりも少なくとも直線では勝てそうな車に仕上がっていたようですが、30万円くらいしかかかっていないライトチューン(といっても120PSアップ)のGT-Rには全く太刀打ちできませんでした。

だったら最初からGT-R買っておけばよかったのに、ということなんですが、実はそのGT-Sのオーナーもそんなことは百も承知なんです。
おそらく始めは軽くいじるつもりが、どんどんエスカレートしていき、ある一線を越えるともう後に引けなくなるんでしょうね。
当時、目の前に500万円のノーマルGT-Rと完成済みの600万円のチューンドGT-Sを並べられてどっちにすると言われれば、普通の人は間違いなくGT-Rを選んだでしょう。

でも、もし今、R35 GT-R 900万円と、新車状態のR34 GT-Rフルチューン 1000万円を出されたらどうでしょうか?
大抵のひとはR35にいくんでしょうが、もし私がもう少しだけ若くて予算も十分にあるのなら、R34を選ぶかもしれません。
だって、R34の方が 200Kg以上も軽いですし、後部座席は大人二人でも十分乗れますからね。

実際、世の中には私と同じような感覚を持った人間もそこそこ居るようです。
ドイツのエッセンにある JAPO Motorsport というショップが、GT-R NISMO Z-tuneの程度のよい中古車を仕入れて、4ヶ月かけてバラせる所は全てバラして、出来る限りの新品パーツを使って文字通り新車状態に組みなおしたそうです。
しかも、タービンやインジェクション、インタークーラーなどはオリジナルとは別の物に入れ替えて、523PS 600Nm までチューンしてあるということです。

89,900ユーロ、約1000万円。
ちょっとそそられませんか?


By OZW



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