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アクティブサス その4


昨日からの続きです。

面白いデータというのは、アメリカの整備保険の金額です。
保険会社が保険料設定時に相当詳しく調査しているはずですから、これは故障確率と費用に関するかなり信頼性の高い数字だと思います。

米国には新車保障などとは別に中古車の整備代金の保険を扱う会社がいくつもあります。
事故以外で何かが壊れてしまったときの部品代と工賃をカバーするもので、ブレーキ、タイヤ、ベルトとか油脂類などの消耗品や点検費用は対象になりませんし、100〜200ドル程度の免責がありますが、加入時にディーラーの検査を受ければよほど特殊な車両でない限りどのメーカーの車でも加入できます。
一般に新車価格が1000万円以上の車両だと大きな整備が必要となったときには整備代が高額になることが多いので結構加入しているひとが多いようです。
日本にもこういう保険があるといいんですけどね。

さて、W215 CL の保険料はというと、
2005年モデルのCL65 AMG が2010年のとき 5万Km走行で、その後3年間16万Kmまでの保障が保険料6,000ドルだったそうです。
同じく2005年のCL65で、2009年当時 6万Km走行だった車両の 2年10万Kmの保険料では 2,500ドルというのがありました。
CL65 AMGといえば、612馬力で新車価格2880万円、専用部品も多くて他のCLよりは整備代もかなり高くなるはずですが、それでも5年落ちでその後の3年間保証で年間2,000ドルの保険料、4年落ちの2年間だと年間1,250ドルということです。

2003年式 CL55 だと、2009年 84,000Km走行時に、3年保証で2,400ドル。
別の2003年 CL55 約12万Km走行が、2010年に2年間保証で 4,000ドル。
更に今月の最新情報では、2003年 CL55 約9万Km走行で、保証範囲をドライブトレインと電気系に限定したプランだと、2年5万Km以内 2,795ドルというのがありました。
つまり、6年後からの3年保証で年額800ドル、7年 12万Km走っちゃうとその後の2年は年額2,000ドルになりますが、8年9万Kmでも保証範囲をATとABCに限定すれば10年目までは年額1,400ドルです。

CL55と同じ価格帯にある Jaguar XJR や BMW 760iL などと比べても特に高い金額設定ではないようです。
年間800ドル〜2,000ドル。
安くはないですけど、124 500Eな人たちも年にこれくらいは使ってませんか?
それに、この保険料には当然保険会社の利益が上乗せされているわけですし、ABC以外の故障も保証しているわけですから、全体としてみれば、程度の悪い状態で乗り続けない限りは、爆弾を浴びてしまう可能性は、少なくともネットに氾濫している情報よりは相当低いようです。

とはいえ、当たってしまったらトンデモナイことになるので、ことアクティブサス車に限ってはとにかく程度のいい固体を買うことが最重要です。
安く買ってコツコツ仕上げていこうなんて考えは、アクティブサス車では絶対に持ってはいけません。
特に定期的なABCオイルの交換を怠っていた車両はトラブルになる可能性が飛躍的に高まるようですから、整備履歴も分からないようなのを安いからといって買ってしまうのは、地雷原の中を行進していくようなものでしょう。

もちろん安全地帯を慎重に歩いていても突然車が突っ込んでくることはあり得ますが、まあそのときには諦めて、スピードジャパンで部品買ってください(笑)。


By OZW



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