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ブレーキローター


BMWのALPINAとか、ベンツAMGの63、特に65シリーズなんていう生産台数の少ない車のブレーキローターはかなり高額です。
390mmなんていう大型だったりしますし、量産できないので高価格になるのはある程度仕方ありません。
それでも、単なる鉄の塊なのに、1枚10万円なんてのは勘弁して欲しいと思う人も多いのではないでしょうか。

ご多分に漏れず、ここにも中国製商品が入り込んできています。
昨日も、米国のショップから中国生産と思われるローターの案内が届きました。
どれも純正の10分の1以下の価格です。
ただ、ローターは重く送料が嵩むのでコンテナ便などでまとめて送らないと輸入のメリットはあまりありませんが、それにしても安いです。

でも、実は単なる鉄製の円盤と思われているブレーキローターも製造工程にはいろいろなノウハウが存在します。
材質にしても、ねずみ鋳鉄(片状黒鉛鋳鉄)、ダクタイル鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄)、これらの中間のCV鋳鉄なんてのがあり、混ぜ込むグラファイトの量で硬度や引張強度が変わります。

たとえば、実際の製品でFC150・FC200・FC250というのがあるのですが、数字は引張強さ(1N/mm2)を表したものです。
このうち欧州車はFC150などの数字が小さいのをよく使います。
減りは早いのですが、熱分散しやすいという特性があります。
一方、国産車は、持ちがいいFC200・FC250を使うことが多いようです。

この他に、耐熱性上げるためにニッケル入れたりモリブデンを加えたり、耐振性をよくするのに炭素やシリコンを増やしたりと、やはりノウハウの蓄積がそこにはあるわけです。

それから、鋳型に溶けた金属を流し込み冷却・凝固するときに、空気などのガスが内部に閉じ込められて生じる空間(鬆(す))を、いかに少なくするかが品質の差につながります。
鬆が多いと、割れや歪みに直結です。

さらに、パッドとの相性もありますので、当社では実績のある組み合わせをお勧めしています。


By OZW



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