純正マフラー
一昔前の特に国産車の純正マフラーは、限られた製造コストの中で、消音効果と10モード燃費のカタログ値をよくするため、排気効率はあまりよくないものが多かったようです。 ですから、この時代は社外マフラーに交換するとトルク、パワーともに簡単にアップしました。 もっとも、パイプを太くして抜けをよくするだけではダメで、ある程度の排気抵抗は必要で、エキパイ内部に大きな負圧が発生するように排気脈動を有効に利用しないとかえってトルクは細ってしまいます。 吸/排気バルブが両方とも開いているオーバーラップ時に、その負圧によって混合気をシリンダーに引きずり込まないといけません。 今どきの純正マフラーは、このあたりのことをよく考えて造られているので、下手なアフターパーツのマフラーに交換すると確実に燃費や加速が悪くなります。 E55 AMGの純正マフラーです。 取り外したセンターマフラーですが、 半分に切って中を見てみると、排気脈動をうまくバランスさせるための中でクロスオーバーしているのが分かります。 この部分の大きさと形状は緻密な計算によって導き出されたものです。 だから、こんな風にセンターマフラーを取ってしまってストレートパイプに交換すると、サウンドの迫力は出ますが、走りは酷いものになります。 純正マフラー、なかなか侮れません。 By OZW |