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バブルの遺産

 
同期の仲間と会って話していると必ずバブル経済期、日本中が浮かれていた時代のことが話題にのぼります。
私自身もかなり恩恵に与ったほうだと思うのですが、まだ若かったこともあって、こんな世の中が一生続くんじゃないかと思っていて、入ってきたものがそのまま全部出ていった感じです。

当時は一体いくら収入があって何にいくら使ったのかもよく分からないくらい浮かれていました。
夜の街に繰り出せば全部会社の接待交際費、あちこちの別荘が会社の保養所だったり、高級車だって全部社用車、ガソリンも経費扱いなので燃費なんて気にしたことがない、というのがむしろ普通でした。
もちろん、あまり無茶をしていると税務調査でガッポリ持って行かれるわけですが、その修正申告の額がまた自慢話になったりして、やっぱり狂っていたんですね。

バブルが弾ける少し前だった思いますが、私の所にも税務調査が入ることになり、別に悪いことはしていなかったのですが、数年分の書類がきちんと整理できていなかったこともあって一部の会計資料や預金通帳などを実家に疎開させたことがありました。
いろいろあって結局調査は来なかったのですが、疎開資料はそのまま実家に置いたままになっていました。

その名古屋の実家、バリアフリーでもなく二階建てで階段の昇り降りも辛いということで、介護サービスの付いたマンションに越すことになりました。
空き家にした後は、賃貸に出すということで、このところずっと荷物の整理をしていたのですが、すっかり忘れていた疎開資料が今頃出てきてびっくりです。




意味不明な領収書の山の中から、こんな通帳が出てきたのですが、全く記憶がありません。
東海銀行なんてとっくの昔になくなってるし。
えっと今は三菱東京UFJだったっけ。
残高はかなりあることになってるけど、まさかね。
でも、少しでも残ってたらラッキーだし。
ということで問い合わせてみると、そこまで古い通帳は本部預かりになっていて調べるのに1週間程度かかると言われてしまいました。

先日銀行から連絡があったのですが、ちょっとした車が買えちゃうくらいの残高があるみたいです。

忘れていたお前が馬鹿だと言われればその通りなんですが、それを忘れちゃうくらいのとんでもない時代だったというのもあるんじゃないでしょうか。

当時同じような状況で忘れていた通帳が出てきたらその日のうちに使ってしまっていたと思いますが、今は、もう一台クルマ買っちゃおうかなあ、と思った次の瞬間、毎月の駐車代がなあ、と考えてしまいます。

この話をした友人には、学習したんだよ、と言われましたが、私自身はバブルが弾けて借金かかえたわけでもなく、当時の散財をすごく後悔しているというわけでもありません(だって楽しかったですから)ので、それはちょっと違うような気がします。

長い間落ち込んでしまっていた消費マインドを変えるのはなかなか難しいようです。
とすると、今後仮にアベノミクスがある程度うまくいって所得が多少増えたとしても、一気にデフレ脱却は難しいかもしれません。


By OZW



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