折れる
ボルトやシャフトが折れるとかってことではなくて、心が折れるってお話です。 お客様から10年以上気に入って乗ってきた車を降りることにしたというお話を伺うことがときどきあります。 ぶつけてしまって、というのもありますし、EZLなどの高額部品が壊れたから、というケースももちろんありますが、細かなものも含めていくつかの不具合が立て続けに発生して、維持していく気力がなくなったという場合も多いようです。 F-ROADで連載中のポルシェ964にしても、リフレッシュ以外に故障修理した部分もいくつかあって、順に挙げると ・スターターモーター故障によるエンジン始動不可 ・パワーウインドウスイッチ故障で助手席側窓の開閉不能 ・エバポレーターからの冷媒漏れでエアコン効かず ・ブロアファンリレー故障でエアコン効かず この一年でこれだけあったのですが、もしこれが自分の個人所有の車で数カ月の間に次々に発生していたとしたら、確かに買い替えを考えたかもしれません。 ただ、この964の購入は業販で現状渡しだったのですが、スターターのソノレイドの動きが渋いこととエアコンガスの漏れがあることの説明はちゃんと受けていました。 もし個人購入だったら納車前にそれらの整備をお願いしたか、購入後すぐに近くの工場に入庫して修理依頼していたと思います。 だとすると想定外の故障個所はスイッチとリレーくらいなもので、どちらも数千円の部品ですから、心が折れるなんてことはなかったでしょうね。 壊れてからの対処療法のみで、そろそろ危なそうな箇所の整備を後回しにしていくと、あるところで一斉に壊れてとうとう手に負えなくなるのではないでしょうか。 まあ、世の中ハズレ車というのは確かに存在するので全部がそうとは言いませんが、故障が重なるというのは偶然ではなくて、多くの場合はなるべくしてそうなっているような気がします。 やはり旧い車を楽しく維持していくためには、定期的な点検と予防的な整備も必要ということではないでしょうか。 By OZW |