サブタンク一体型
クーラントが漏れる箇所で一番多いのはラジエターのサブタンクでしょうか。 樹脂製なので熱で劣化してラジエターからのホースやレベルセンサーの付根あたりからポタポタというのは車種問わずよくあるトラブルです。 実際、当社でもこのサブタンクのご注文は、ラジエター本体の3倍くらいは頂いていると思います。 単純に考えればサブタンクの耐久性はラジエター本体の3分の1てことになります。 先日、W638 Vクラスのサブタンクのお問い合わせを頂きました。 なんとこの車のサブタンク、ラジエター一体型です。 サブタンク交換するにはラジエターごと換えないといけません。 おまけに純正定価はどの排気量のものでも軒並み8万円越え、純正OEMのBEHRから直接取っても半額程度にしかなりません。 サブタンク交換に部品代だけで4万円以上、作業もラジエター脱着という大ごとになってしまって工賃もそれなりにかかってしまいます。 そりゃあないでしょう、というクレームが殺到したからかW639からは一体方式はやめていますが、W638オーナーにはたまったものではありません。 で、実はこのラジエター、社外品が出ています。 発売メーカーは分っているだけでも、 KuHLER SCHEIDER NISSENS SCHLIECKMANN VALEO VAN WEZEL とこれだけあるのですが、日本仕様のものは最大市場の米国やヨーロッパのものとは別品番のものになりますから、そんなに大量に出る商品とは考えにくく、おそらく上記のどこか1社が製造したものを色んなメーカーがパッケージを変えて売っているだけではないかと思っていますが、よく分りません。 実は上で載せた写真は、ある中国企業がノーブランドとして送ってきた画像なのですが、これと上記の社外ブランドのものは同じものなんじゃないかと疑っています。 どちらも仕入値は異様に安くなるのですが (BEHR製の3分の1)、逆にその値段から怖くて当社では扱っていません。 ただ、この商品に関してはどのみちサブタンクが先にダメになることから考えて、サブタンク部分だけマトモならラジエター部分のクオリティーはあまり気にする必要がないとすれば、この手の素性不明のものでも悪くはないのかもしれません。 でも、その肝心のサブタンクの耐久性も担保されていないわけで、ラジエターアッシー交換になることも考えるとやはり自分の車だったら付けないと思うのでお客様にも売りたくはないですね。 By OZW |