趣味としてのクルマ
少し重いドアを開け、シートに身を沈める。 ドアを引き寄せると、音だけでなく手のひらからも感じられるボディー剛性。 キーを差し込んで火を入れると一瞬で目覚めるエンジン、全身に響き渡る独特のV8サウンド。 走り始める前から、いいクルマだと思う。 少し待ってアイドリング回転が下がり始めたところで徐にシフトをドライブに。 アクセルをほんの少し踏み込むだけで感じられる強大なトルク。 一般道のちょっとしたカーブでも、国産エコカーとは明らかにその違いが分かるサスペンションの安定感。 信号で止まるときのブレーキフィール。 休日にドライブに出かけるのではなく、普段のちょっとした運転だけでも感じることが出来る幸福感です。 今まで乗り継いできたクルマたちもいいと思うポイントはそれぞれ違っていましたが、気に入った車に共通していたのは、不満点はあっても、こんなふうに街中をほんの少し運転するだけでもいい気分になれたことです。 SJ設立の原点は、この気持ちを共有したい、 その状態を維持できるために、いい部品を出来るだけ安く提供したい、という思いでした。 だから、気持ちよく走れないようなクオリティのものならいくら安くても意味がないと考えています。 そのせいか、車は動けばいいとしか思っていないひとたちとは今でも波長が合いません。 たとえば、コピー品や中華製の汎用?エアフロ。 耐久性以前の問題として信号にズレがありますが、とりあえず動きます。 強化ブッシュと称した格安のサスペンションアーム類。 換えて3ヶ月くらいは悪くないようです。 でも、こういうのでは気持ちよく走ることは出来ません。 私たちは、単なる移動手段の道具とは違った、趣味としてのクルマをこれからも支えていきたいと思っています。 By OZW |