プロボックスバン
彼にしてみれば、10年以上前の設計で、何を今さらという感じでしたが、トヨタとしてはかなり本気で造った車だったようです。 フロントサスはヴィッツ由来のマクファーソンストラット/コイルですが、リアは、板バネ使用のカローラバンから、専用開発されたコイルスプリングを用いる5リンク(4リンク式トーションビームアクスルにラテラルロッドを加えたもの)にしたおかげで、やはり走安性は格段に向上したそうです。 コイルは空荷時にも考慮した非線系バネレートで、さらに前後にスタビライザーが標準装備です。 内装装備もよく考えられていて、助手席のグローブボックスは大容量ですし、灰皿の上に引き出し式のテーブルがあって、ノートPCを置いて作業も出来そうです。 もっとも、これは聞いたら元々は営業マンのために作った手書きの帳簿や弁当を置くためのテーブルだったとか。 でも、この車の一番凄いところは、8万Km走行していて、多分その間、相当雑に扱われてきたであろうに、何もかもがまだしっかり機能していることと、新車価格が100万円そこそこという低価格でよくここまで作り上げたという点です。 これを伝えると、直接この車作りに関わったわけではない彼も、とても嬉しそうでした。 モノづくりの本質は、長く使ってくれたひとに喜ばれるものを作ってこそであり、最初から使い捨てを前提にしたような商品はモノじゃなくて、それは単なるゴミにしかすぎないということを再認識した気がしました。 By OZW |