W126 500SE 登録完了
本日、Sファクトリーから引き取ってきました。 この時代のクルマでナンバーが「33」じゃなくて「302」というのはちょっと格好悪いですが、車庫証明を旭川で取るわけにもいかず、こればかりはどうしようもありません。 さて、乗り込んでドアを閉めると、「バチン」という今どきの車では絶対出せない音がします。 これだけでも買ってよかったと思えます。 シートポジションを合わせ、工場から出て 40m先の信号で停止。 たったこれだけのブレーキのタッチでも、テスト車両のポルシェ964とも通ずる剛性感を凄く感じます。 W126って、こんなにブレーキのフィーリング良かったっけ? 14号から一本入った細い裏道を2Kmほどのろのろと走り、一之江インターから首都高に乗ります。 ここではじめてアクセルを一杯に踏み込んだのですが、想像していたよりはマシな加速で悪くはありません。 でも、確かにそんなに遅いわけではないのですが、V8 5Lにしては流石にちょっと時代に置いておかれている感は否めません。 もともとこのクルマに速さは求めてはいませんでしたが、現状0-100Km/h加速 7.5秒を、6秒代にはしたいかなあ。 環状線に入って連続するカーブを 80Km/h前後で抜けていったのですが、足回りは今のままでも問題なさそうです。 でも、いくら程度がいいと言っても、5万Km近く走っているわけですから、逆に問題ないことが解せません。 あとから記録簿を調べてみたら、スタビロッドやアイドラアームなどヤナセで交換してまだ2,000Kmほどしか走行していませんでした。 それにしても、このサイズのビッグセダン、この剛性の高いボディーで、ここまで一体感を感じながらコーナリング出来る車は現在ではもう存在しません。 この部分の満足感で、時代遅れなエンジン、ミッションに目をつむることができるくらいです。 もちろん、ここでは絶対的な制動距離や絶対的なコーナリングスピードを言っているのではありませんが、加速性能だけは数字で考えてしまうのは何故なのか? これ、おそらく、ずば抜けた剛性のボディーと懐の深いサスペンションは、このあと変な方向に進化していってしまい、私を含めたある特定の人達にとっては、それはむしろ退化していってしまったとさえ言えるのに対して、エンジン・ミッションの性能は国産車含めて他の車がどんどん進歩して、今や完全に取り残されてしまったと感じているからなのでしょう。 W126 500SEとだいたい同じくらいのサイズの現行国産車に日産フーガがあります。 全長、全幅、全高がほぼ同じで、一番ベーシックモデルの250GTだと1,700Kgで車重は全く同じです。 2.5Lガソリンエンジンで最高出力は 225PSで、500SEより30PS小さく、トルクは 150Nmほど細いのですが、7速ATのおかげで 100Km/hプラスαまでの加速性能はどっこいどっこいです。 くどいようですが、この500SEに速さは求めていません。 実際、道路を貸切状態にして単独で走っていられれば、今のままでも全然不満はないと思います。 ですが、5年前には周りに車が一台もいなくなることが珍しくなかった東北道などでも、今では交通量が増えて、ひとりで走っていられる状況はほとんどなくなってしまいました。 GT-Rとかにぶち抜かれても何とも思いませんが、追い越そうと思った126と同じようなビッグセダンが、自動車税もガソリン代も半額なのに同じ加速で前に出られなかったら、ちょっとね。 やはりギア比くらいはいじらないと、ちょこまか走らざるを得ない今の時代の日本ではだめかも。 とはいえ、これは紛れもなくベンツが圧倒的に世界一だった時代のクルマです。 四半世紀経った今でも、ちょっといじって現代の交通事情に合わせようと思わせるのですから、恐ろしいクルマです。 By OZW |