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W126 500SE 始動不良4

 
これまでは、単に症状から原因を推測していました。

これなら誰にでも出来るわけですから、ここまでは誰でも楽しめます。
案外プロのメカニックの方でも今時の車しか触っていなくて、Keジェトロの経験がなければ、こんな感じで適当にパーツ交換していってしまっているかもしれません。

正規の手順はどうなっているのかと思い、整備マニュアルなど調べてみると、やはり燃圧を調べろとなっています。



W126 後期500SEの場合ですが、他の車種でも、あるいは多分他のメーカーの車でも、Keジェトロなら手順も基準値も似たようなものだと思います。

(1) 目視、および臭いで燃料漏れがないかチェック。


(2) 燃圧計でアイドリング状態でのフューエルデスビのアッパーチャンバー側でシステムプレッシャー値を計測。
冷間時でも温間時でも燃圧は、6.5bar前後が正常値です。

この値に届いていない場合は、フューエルポンプの吐出量と吐出圧をチェック。

超えてしまっている場合は、フューエルリターンラインの詰まりをチェックして、そこに問題がないようならプレッシャーレギュレーターを交換。


(3) 燃圧計でアイドリング状態でのロワチャンバー側のプレッシャー値を計測。
温間時で、(2)のシステムプレッシャー値より 0.4barほど、冷間時(クーラント温度20度)で 0.5barほど小さければ OK。
もしそれより低ければ、フューエルガバナーをチェック。


(4) エンジンを切ると、一旦プレッシャーレギュレーターの弁が閉じる圧まで下がろうとしますが、途中フューエルアキュームレーターの圧力でインジェクターの開弁圧付近まで戻そうとします。
ですから、燃圧計の針は、下がっていく途中で一旦上がってまた下がるか、下がり切ってすぐにまた上がるという動きをするはずです。
いずれの場合も正常なら3.4bar辺りに落ち着くことになります。
その後は、30分経っても 3.0bar以上 (外気温に大きく左右されますが) を維持していなければなりません。

これが、一気にストンと燃圧が下がって0になってしまうようなら、フューエルポンプのチェックバルブを交換。

途中で圧が上がる局面がなく、ゆっくりと、あるいは、すっーと一直線に基準値以下に下がっていってしまう場合には、フューエルアキュームレーターを交換。

途中で圧力が上がるような変化があっても最終的に基準値以下に下がってしまう場合は、プレッシャーレギュレーターのリターンホースを外して、そこからガソリンが出てこないか確認する。
にじむ程度のガソリンなら問題ないが、ポタポタ出て来るようなら、一旦これをクランプで塞いでみて、それで圧が下がらなくなるなら、プレッシャーレギュレーターの不良なのでこれを交換。


(5) フューエルアキュームレーター、プレッシャーレギュレーターとも問題ないなら、インジェクターおよびコールドスタートバルブを外し、これらからの漏れがないかをチェック。


(6) 以上のどれにも問題がなければ、フェーエルデスビの不良。

ということになります。

K, Ke-ジェトロニックは燃圧命です。

次は問答無用でフューエルアキュームレーターを交換する予定でしたが、エスファクトリーに問い合わせてみると、燃圧計測とその良否判断だけなら、1時間程度で出来るので車を預ける必要もなく、料金設定も 5千円程度ということだったので、明日は燃圧計をつないでもらって燃圧変化を観察してこようと思います。



By OZW



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