人生観
それにしても、W126 というクルマ、特に高速巡航でその出来の良さを再認識できます。 500SEの場合、フロント、ダブルウィッシュボーン、リア、セミトレーリングアームというオーソドックスというか、今となってはむしろ古典的なサスペンション形式に、単純なコイルスプリングと普通のショックだけの組合せなのに、実にしなやか、それでいて踏ん張りどころではしっかりロールもピッチングも抑え込んでくれます。 これこそまさに高級車の乗り心地、とにかく疲れません。 「電動工具とか、サンドブラスターとかいろいろ整理したいから見に来ない?」 と言われて、伺った次第です。 自宅横に立てられたそこには、リフトや各種工具類の他、薪ストーブやキャンプ用品が溢れていてここ寝泊まりすることも出来るくらいです。 実際夫婦喧嘩したときなどは、ここに立て籠もってしばらく自炊生活をすることもあるんだとか。 そんなY氏、昨年の10月に大型トラックに追突され、弾き飛ばされたところで反対車線から来たワゴン車にさらに衝突され、背骨の圧迫骨折をはじめ全身8箇所の骨折、右膝じん帯断裂など一時は意識不明な状態になるなどまさに九死に一生を得るような事故に遭ったそうです。 3ヶ月入院したあと、今でも通院しながらリハビリを続けていらっしゃるのですが、死に直面したとき人生観が大きく変わったのだとか。 やれたらいいな、と思っていたことが、生きているうちにどうしてもやっておかないといけないと強く思うようになったのだそうです。 先ずは今年ネパールに行き、一旦帰国後、体中に埋め込まれたチタンボルトを抜き、そのあとはイギリスのマン島でしばらく暮らす予定ということでした。 「奥さん、大丈夫なの?」と訊ねると 「もう諦めてるみたい。はっははっはぁ−」 どんな我儘も許される状況になったとして、自分だったら何がしたいのだろう?と考えてみましたが大したことが思い浮かびません。 ちょっとゆっくりしたあとは、結局今の仕事をそのまま続けているのかもしれません。 By OZW |