W124 500E ボディの亀裂 その1
想定外のV8エンジンを積んだこともあって、Aピラーの下側につながるフロントインサイドパネルとのつなぎ目に大きな負荷がかかって、遅かれ早かれここに亀裂が生じてしまうのは、500Eの宿命です。 10万Km超えてくると、一番上の部分にほんの小さなヒビが入ることから始まるのですが、その時点でも割れていないクルマと乗り比べてみるとコーナーで頭の入りがワンテンポ遅れるのが分かります。 もっともブッシュ類がヘタっている車でも同じような感じになるので、それとの区別は難しくまさかボディに亀裂があるなんて考えもしないかもしれません。 そこから更に進行してくると、室内でAピラーのあたりから 「キシ」「キシッ」という異音が聞こえるようになってきます。 内装、内張りのキシミ音のように聞こえるのでダッシュボード外してみたりAピラーの内張りを付けなおしてみたりしても音が止まらないと悩んでいるひとも多いようです。 ジグザクに塗りたくられたパテというか接着剤を削り落とすると、スポット溶接とMIG溶接で付けられたインサイドパネルのつなぎ目が見えてきます。 新車から12万Km、どちらかというとゆったりとしか乗っていないこのクルマの場合でも、矢印の2箇所の部分が剥離し始めていました。 キシミ音はまだ出ていなかったのですが、サスペンション関係を前後ともフルリフレッシュしたにもかかわらず、新車時の感覚から比べると頭の入りが微妙に遅れるということで入庫してきました。 実はメーカーでもこのトラブルは認識していまして、ディーラーでも対応しているところもあるようです。 ただ、ボディー剛性の問題ではなくキシキシという異音の問題と捉えているようです。 したがって、ディーラーなどではヒビの部分を溶接で点付けしてお終いです。 とりあえず、ディーラーと同じようにまずは溶接しましたが、これだけではすぐにまた割れてきてしまうでしょうし、最低でも新車時の剛性は持たせたいところです。 ちなみに、これは7〜8年前にW124ボディーと全く同じ材質の補強材を溶接留めして補強したものですが、その後10万Km以上ガンガンに走り込んでいても、ヒビなどは全く入っていませんでした。 今回は、さらに剛性を高めるために新しい手法で補強することにします。 By OZW |