W126 500SE
今回はDIYに挑戦したものの、ボールジョイントの圧入などは専用のSSTが必要でしたし、思わぬトラブルが発生したときには自分ではどうすることも出来きませんでした。 最後にハブベアリングの締め付けが必要でしたが、ここは経験値が重要でトルクレンチだけではどうにも対処できない部分です。 始める前に自分の技量、知識、手持ちの工具と設備などを全部考えてプロに任せる部分は任せるべきだとあらためて思いました。 そうでないと大事なクルマを壊しかねません。 さて、ブレーキサポートブッシュ、ボールジョイント、ショックアブソーバーを新調したので、久しぶりに長距離を走ってみることにしました。 ドアを開けて乗り込んだ後、ドア内側のアームをそっと引くときの重厚感、ドアが閉まるときに奏でられるサウンド、この感覚はこれまで生産された全ての車の中でW126が最高だと、私は思っています。 もっとも、このごついドアキャッチを見ていると指でも挟んだらかなりマズイことになるだろうという恐怖感さえおぼえることもあるくらいですから、中にはこの響きを好ましく思わないひとがいても不思議ではありません。 実際、この音があまりに威圧的だとの批判を受けて、W140以降でドアのオートクロージング機構が付けられたということは、あまり知られていない事実かもしれません。 ほんの一瞬セルを回すだけで火が入るエンジン。 KEというほとんど機械仕掛けの旧式のエンジンなはずなのに、クランキング時間は現行車より短い位です。 発進時に軽くアクセルを踏み込んでスルスルっと前に出るスムーズさは、26年経った今でもSクラスそのものです。 前に出たいときには、1速発進に切り替わって2.47から2.65の純正LSDに交換したこともあり、0-100km加速は7秒を切りますから、大型セダンとしては現在でも十分通用する加速力を持ち合わせています。 前置きがながくなってしまいましたが、この時代のメルセデスはちゃんと手を入れてやれば、その分きっちりクルマがそれを返してくれますから止められません。 街中をちょっと走っただけで、ハンドルの安定感の違いが感じられました。 コーナリング時の、アクセルを踏み込みながら思い通りのラインをトレースできるFRのお手本のような弱アンダーな特製は、やはり気持ちいいものです。 交通量の少ない高速道路では、この500SEの巡航アベーレージ速度は、私の場合 W124 E60とそんなに変わりません。 まあ、つまり、そこそこのペースで走っているわけですが(笑)、名古屋-東京往復で疲れないという点においては、W126はこの上なく楽ちんです。 W220やW221と比べても、私にとってはW126のほうが疲労感は少ないくらいです。 現代のSクラスにあってW126にないものがあるとすれば、どうでもいい電子デバイスと役に立たないナビ、あと燃費は2割くらい劣っているかもしれませんが、それらは全く気になりません。 ただ、唯一気になるのは空力、特にボディーアンダーの部分です。 この時代は何も考えられておらず、見事なまでにアンダーカバーが一箇所もありません。 そのため、風、特に横風の影響を受ける度合は、現行Sクラスよりは絶望的に劣ります。 少し前にもっくんが190のアンダーパネルの話をしていましたが、W126のほうがその必要性は高いように思います。 By OZW |