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SSTも消耗品

 
一昔前のディーラーといったら並行車は門前払い、ディーラー車でさえ自分のところで直接販売した車以外はちょっと嫌な顔までされました。

それが、今では随分と改善されて、パーツ持込みOKというディーラーも珍しくありません。

ところが、今度は旧いクルマの整備を受けてくれないディーラーも増えてきてしまっているようです。
そういうクルマを触れるメカニックさんが減ってきているのもありますが、その車種専用の特殊ツールがなくなってきていることもあるようです。

SSTだって消耗品なわけで、永遠に使えるわけではありません。
ディーラーだからといってタダでメーカーから支給されるわけではなく、十万、二十万払って購入するとなると当然費用対効果を考えます。
使用頻度の低い旧い車種のものが切り捨てられていくのは仕方ないことかもしれません。




少し前にはだいたいどこのディーラーにもあったW124のリアハブを外すSSTですが、ハブを外す時にはかなり大きな力がこのツールに加わるので、この手のツールの中では耐用年数は短いほうだと思います。
それに、そもそも錆びついたハブを抜くことまでは想定して強度設計されていなかったようで、そういう車の作業をすると結構簡単に壊れてしまいます。
特に地方のディーラーだとそのまま補充しないところも多いようで、W124のリアハブ交換を受けてくれないところが増えている一因にもなっています。

このSST無しで交換しようとすると、先ずリアのアーム全部外してナックルを丸ごと取り外し、今度はそれを巨大なプレス機に据え付けて抜くか、万力に固定してスライドハンマーで叩き出すような荒業が必要になります。
それも大抵はすんなりいかず、左右やると丸一日の作業になりかねません。

SST使えば壊れるかもしれない、
かといって使わなきゃ大変な作業になるし、
整備工場さんとしてはあまりやりたくない作業かもしれません。




こんな工具がありました。
ナックルとハブの間に入れて、5本のホイールボルトをねじ込んでいくだけという単純な構造なのですが、単純なだけに壊れません。
値段も純正SSTの10分の1ですし、ここは必ずしも純正にこだわらなくてもいいんじゃないでしょうか。
こういうのが、もっと普及していくと旧車も維持しやすくなりますね。





By OZW



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