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103エンジン載せ替え その11


今回のエンジン載せ替え、エアコンR12から134aへのレトロフィット、エンジンルーム内全てとフューエルライン全体のリフレッシュ作業は、結局新品に交換した部品が144種、224点にもなりました。
旧エンジンまわりから移植したものを除いてこの数です。

高額パーツはひとつもなく、多くは1万円もしないもので、さらに全体の半分くらいは千円未満の部品だったのですが、塵も積もれば、のたとえの通り、部品代の合計金額は税込定価だと100万円超え、SJ価格でもディーラー手配の純正品が多かったので70万円近くにもなってしまいました。

ブログに載せ切れていない作業がまだいっぱいありましたし、100点以上にはなると思ってはいたものの、224点と聞いて私自身もちょっと驚いたくらいですから、請求書をご覧になったオーナーの方もさぞびっくりされたことでしょう(笑)

部品ひとつずつのだいたいの値段はオーナーの方も把握していたはずですが、途中何度も覗きに来てしまうと、「ここまでやったならついでにあそこも」「この際だからホース類は全交換だよね」「ここはエンジン降ろした今しか出来ないよね」とついつい追加作業をお願いしたくなるものです。
これは非常に危険な行為なんですね(笑)

これらの新品パーツの付け替えの他、エンジン載せ替えと諸々のパーツの点検移植で、実際の作業時間は、100時間を大きく超えるものだったのですが、メーカーで決められた標準作業時間で計算すると 今回は 59.9時間でした。
この標準作業時間というのは、熟練のメカニックが途中何のトラブルもなく作業を終えることが出来る時間を基準としてメーカーが設定したものです。
例えば、エアコン関係は、コンプレッサー、エキパン、リキタン、スイッチ、ホースやシール類全部交換して、真空引きからエアコンオイルとガスの充填までやって、標準作業時間は、2.8時間ということになっています。
確かに、熟練メカにとって2.8時間は不可能な数字ではないと思うのですが、仮に交換作業中にボルトが折れて半日余分にかかったとしても、とにかくこの作業は2.8時間と決められているわけです。
124のようなセミクラシック車では途中何らかのトラブルが発生することのほうがむしろ普通ですから、ディーラーが旧い車の整備を受けたがらないのは、場合によっては現実的ではないこの標準作業時間も理由のひとつになっているようです。

SJでもこの標準作業時間に基づいて工賃計算しているのですが、今回は時間あたりの工賃設定もディーラーの半額程度にさせて頂きました。
それでも、部品代と合わせたトータルの請求は税込だと余裕の100万円です。

今回、単純にエンジン載せ替え、次の車検まで持てばいいから出来るだけそのまま使って最低限の作業に抑えて、ということだったらおそらく納期も金額も3分の1くらいだったと思います。

もっとも、金額的には、10年先まで使えるようにというレストア基準だと、一般的な修理基準の3倍かかったわけですが、10年トータルすると重複する作業が少ない分レストア基準で一気にやってしまったほうが結果的には安く上がるような気がします。

それに、完全にアウトなところだけ手当しながら全体としてはボロい状態のまま10年乗り続けるのと、全部レストアしてしまって10年気持ちよく走れるのとでは、どちらが幸せか ってことなんだと思います。
まあここは個人の懐事情と価値観の問題かもしれません。

ちなみに、このオーナーさん、次は足回り全部レストア基準でリフレッシュ予定だそうです。



By OZW





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