点火系チューン
点火系のチューンで真っ先に思い浮かぶものといえば、MSD(Multiple Spark Discharge)でしょうか。 普通はエンジンの圧縮上死点少し手前で、1回だけスパークを発生させますが、何らかの要因で混合気に着火しなかった場合に備えて、スパークを小刻みに発生させて確実に着火させるためのデバイスです。 元々は高回転時の失火対策だったのですが、レース以外ではむしろ低回転時でのマルチスパークでトルクアップするメリットのほうが大きいようです。 MSD High-Vibration Blaster Coil、 MSD専用のコイルです。 MSDのコントローラーのほうは基本壊れるまで劣化するということはありませんが、コイルのほうは使えば使うほど劣化していきます。 しかもマルチスパークさせるわけですから、通常のコイルよりはその分短寿命です。 そのため交換用にこのコイルだけを購入されるお客様も結構いらっしゃるので、当社のポルシェオンラインショップでもご案内しています。 基本的には最初の写真にあるようなコントローラーとセットで使用します。 車種によっては通常のコイルとしても使えるものもあるようですが、普通はコイル単独では使えません。 インクだけあってもそれが使えるプリンター本体がなければプリントアウト出来ないのと同じようなものです。 チューニングを少しでもかじったことがあるひとなら、それと同じくらい当たり前の話なのですが、全く興味のない人は、普通のコイルだと勘違いしてしまうひとも中にはいるかもしれません。 もっとも、全く興味ない人ならそもそもこの手のパーツは買わないでしょうから、こんな説明書きは必要ないかと思っていたのですが、どうなんでしょう。 ちなみに、永井電子のMDIも基本的には同じものですが、こちらはエンジンとの相性があるようで、W124 500Eなんかに付けるとかえって遅くなってしまうことのほうが多いようです。 By OZW |