健康学園 その1
健康学園という公立の小学校をご存知でしょうか? 健康上の障害のある児童に、集団生活ときちんとした健康管理と教育によって、健康改善の機会を提供しようと各特別区が独自で、空気のいい静岡県の伊豆半島や千葉県の房総半島などで、区内の小学生を対象に運営している全寮制の区立小学校のことです。 もともとは高度成長期以降、都内の大気汚染のせいで激増してしまった喘息児童のための施設でした。 我が家は、息子がちょうど小学校に入学するときに都内に引っ越してきました。 それまでの自宅は家の庭でクワガタやカブトムシが採れるほどの緑豊かな環境だったこともあって、息子にとっては一気にガス室に放り込まれたようなもので、間もなく気管支喘息の症状が出はじめてしまいました。 那須の別宅はせめて休みのときだけでも家族を避難させるために建てたものでしたが、仕事の都合で完全に引っ越すわけにもいかず喘息症状は悪化していってしまい、ついには東京都公害等健康被害による特定疾患の認定まで受けるほどにまでなっていました。 そんな中で知人から勧められて、伊豆の伊東市にある健康学園、東京都中央区立宇佐美学園の体験入園に参加してみました。 たまたま仲のいい友達と一緒に参加したこともあって修学旅行とか友達の家に遊びに行っているような感覚だったのでしょう、とりあえず1学期間だけ通ってみたいと言い出しました。 気が変わらないうちにと思い早速手続きをして預けてみると、そこでの生活はよほど楽しいらしく結局息子は小学校3年から4年生までの1年半をそこで過ごすこととなりました。 親の目から見ても、元教育産業に身を置いた立場から言っても、宇佐美学園は、本当に素晴らしい学校でした。 世界にも誇れる理想的な教育環境がそこにはあったのです。 にもかかわらず一般にはほとんど知られていないのは不思議でさえあります。 その2に続く By OZW |