CL55 AMG 試乗
この前お話ししたCL55ですが、まずヤナセさんから、芝の事務所まで一般道を走ってみました。 およそ15Kmの道のりですが、40分以上かかりましたから平均時速は20Km/h程度ということになります。 世田谷通りから246号を走って、六本木を抜けてきたのですが、道はほとんど真っ直ぐですし、特に荒れた路面もなかったのでABCの出番はありません。 ここまでの印象は、W221のSクラスよりは少し硬め、CLなんだからまあそんな味付けだよねって感じで、特にどうということはありません。 知らなければこれがAMGだとは誰も気づかないでしょう。 むしろ、往年のAMGサスを体験したことがある人なら、このソフトで快適な乗り心地に対して戸惑いを感じるかもしれません。 芝公園からは首都高に乗って一之江へ向かいます。 山手トンネルがつながってから都心環状線が空いてとっても走りやすくなりましたが、道路の継ぎ目の多さは相変わらずで、乗り越えるときの振動は気になります。 この継ぎ目、例えば W124のAMGだと、「コツ・コツ」といった感覚。ゲレンデのG55AMGだと「ゴン・ゴン」という感じで、いずれもワイルドでダイレクト感はありますが、お世辞にも乗り心地がいいとは言えません。 対して、このCLは「ボム・ボム」というゴムぽい感触で、突き上げ感などは全くなく極めて快適ですが、ソリッド感はあまりありません。 ラグジュアリーなグランツーリングカーで、スポーツカーではないCLの味付けとしては全く正しいチューニングだとは思いますが、かつてのAMGの味を期待して乗ると完全に裏切られます。 芝公園から少し走ると「湾岸ミッドナイト」にもよく登場する「浜崎橋JCT」です。 Rのきつい左カーブの坂を下って流れの速い本線に合流します。 カーブに合わせてスピードを落としすぎると合流が危険になるで、あまりブレーキングしないで入ったのですが、一瞬脳内がパニクリました。 びっくりなくらいロールしないんです。 しかも、カロバンあたりならオットットて感じになりそうなスピードなのに、限界はまだはるか先だよと言わんばかりに余裕で曲がっていきました。 凄いことではあるのですが、何か違和感があります。 このサイズの車でこの乗り心地ならこれくらいロールするはず、という感覚を誰でも無意識に持っていると思うのですが、その感覚が通用しないんですね。 今まで色々な車に乗ってコーナリングしたとき、意外にロールするとかしないとかってのは、もちろんありましたけど、今回は意外という範疇を超えています。 だって、あの190SJ号とあまり変わらないロールしかしないんですから。 おまけに強くブレーキングしてもノーズダイプもほとんどしません。 その後、カーブ手前でガツンとブレーキ踏んで早めにリリース、突込み気味に侵入して遊んでいると、この変な感覚がだんだん楽しくなってくるから不思議です。 これで、中央高速走ったら面白そう! これが、アクティブサスの魔力なんですね。 今回、ABCはコンフォートモードのままでスポーツモードには一度も切り替えていません。 ブレーキはちょっと強めに踏んでみましたが、アクセル開度は最大で50%くらいです。(それでもバカみたいに速かったです) もうちょっと乗ってみてまたレポートしたいと思いますが、この車ハマってしまいそうでちょっと恐いかも。 By OZW |